メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、来季ウィリアムズで9年ぶりにF1グリッドに戻ってくることになったロバート・クビサが再び脚光を浴びるレーサーとなる可能性もあると語った。
ロータスに在籍していた2011年シーズン開幕前に起きたラリーでのクラッシュにより右腕に大けがを負ったクビサだが、ついに来季念願のF1復帰を果たすことになる。
右腕には障害治ることがない障害を抱えているクビサだけに、シーズンを通じてF1でどのような戦いができるのか、それは来季の様子を見ていくしかないだろう。
33歳のクビサにとってとりあえずの目標は、来季ウィリアムズでチームメートとなる新人のジョージ・ラッセルに勝る成績を残すことだろう。今季のF2チャンピオンであるラッセルはメルセデスの契約下にあるドライバーだ。
そして、ヴォルフはクビサが来季ウィリアムズで見せるパフォーマンス次第では今後トップチームに迎え入れられる可能性も除外はできないと考えている。
「もし彼が全てのセッションでジョージ・ラッセルに打ち勝ち、ウィリアムズが突然18番手から8番手に飛躍するようなことがあれば、間違いなくすべてのビッグチームが再びロバートに目を向けるだろうね」
『Eleven Sports(イレブン・スポーツ)』にそう語ったヴォルフは、2019年にはウィリアムズもかつての強さを取り戻し始めるだろうと次のように続けた。
「パディ・ロウ(ウィリアムズ/最高技術責任者)と彼の部下たちはかなり早い段階から新車の準備に取り組んでいた。来年のウィリアムズは今年よりもかなり速くなると思うよ」
「もしロバートが最高レベルの走りを見せてウィリアムズの開発を助け、チームに勢いを与えるならば、彼の腕の状態がどうあれ、ビッグチームたちは再び彼に注目するだろうと思うよ」
クビサはアブダビで開催されている今季最終戦の金曜フリー走行1回目に出走したが、そこでは最下位の20番手でセッションを終えている。しかも、チームメートのランス・ストロールに1.3秒以上も後れをとっていた。
クビサがそのセッションでどのような走行プログラムをこなしたのかは分からないため単純比較はできないとしても、実際のところ、長いブランクの後に復帰するクビサがかつてのような力を発揮できるようになるには少し時間が必要かもしれない。