フェラーリのシニア・パフォーマンスエンジニアを務めるジョック・クリアが、2019年はシャルル・ルクレール担当レースエンジニアを務めることが明らかとなった。
現在55歳のクリアがその名を知られるようになったのはウィリアムズ在籍時の1997年のことだった。当時担当エンジニアを務めていたジャック・ビルヌーブがF1参戦2年目にしてドライバーズタイトルを獲得したことでクリアの手腕も高く評価されたのだ。
その後、クリアはビルヌーブとともに1999年にBARに移籍。そのチームはその後ホンダ、ブラウンGP、そしてメルセデスと姿を変えていった。
ビルヌーブ離脱後もこのチームにとどまっていたクリアだが、2015年にフェラーリへ移籍し、上級エンジニアとしてその手腕を発揮していた。
だが、フェラーリは2019年にキミ・ライコネンに代えて今季F1デビューしたばかりのルクレールの起用を決定。これに伴ってクリアがその21歳の若手ドライバーのレースエンジニアを務めることになったものだ。
「現時点ではすべて正式決定されたわけではないが、そう、私は確かにガレージでは彼(ルクレール)の方に強い影響力を持つことになるよ」
そう語ったイギリス出身のクリアは次のように続けた。
「それが肩書きとなるかどうかはこれから決まることになる。だが、恐らくこれまでキミあるいはセブ(ベッテルの愛称)に対して行ってきたこと以上に彼に対して注意を払うことになるのは間違いないよ」
クリアはこれまでビルヌーブ以外にもジョニー・ハーバート、デビッド・クルサード、佐藤琢磨、ルーベンス・バリチェロ、ニコ・ロズベルグ、ミハエル・シューマッハ、ルイス・ハミルトンといった多くのドライバーのレースエンジニアを務めてきた実績を持っている。
クリアはそうした経験をもとに、今季ザウバーでF1デビューしたばかりのルーキードライバーであるルクレールを手助けすることができると考えている。
「彼がやりやすくなるよう、あらゆる形で彼を助けていくつもりだよ。プレッシャーを和らげ、今後数年に向けて彼とチーム全体が最大の力を発揮できるようにするためにね」とクリアは付け加えた。