ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が3度目のF1タイトルをとることができなかったのは、クルマに乗っていないときの判断を誤ったせいだったと考えているようだ。
今季限りでのF1引退を表明したアロンソにとって、F1で走るのはあとわずか2戦を残すのみとなった。
だが、2018年のF1ドライバーズタイトル獲得を決めたハミルトンは、アロンソを気の毒だと思ったりはしていないと語っている。
ハミルトンは2007年にマクラーレンでF1デビューを飾ったが、そこでチームメートとなったのがその年にルノーから移籍してきたアロンソだった。
2005年と2006年に2年連続でF1チャンピオンとなったアロンソだが、2007年はマクラーレンの秘蔵っ子と言われていたルーキーのハミルトンが互角以上の戦いを展開。こうしたこともあり、アロンソとハミルトン、アロンソとマクラーレンの関係が悪化。結局、アロンソはマクラーレンとの契約を1年だけで中途解除して翌年は再びルノーへと戻っている。
しかし、アロンソはその後ルノーで2年、フェラーリで5年、そして再びマクラーレンに戻って4年を過ごしたものの、ついに3度目のドライバーズタイトルに手が届くことはなかった。
一方、2年目のF1シーズンとなった2008年にマクラーレンでF1チャンピオンとなったハミルトンは2013年にメルセデスに移籍するとその後2014年、2015年、2017年、そして2018年と4回のタイトル獲得に成功。ついにファン・マヌエル・ファンジオに並ぶ歴代2位の記録となる合計5回のタイトル獲得を達成している。
今季限りで引退するアロンソについて質問されたハミルトンは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように答えた。
「確かに、彼はもっとF1タイトルをとってもおかしくなかった。だけど、彼にそのチャンスがなかったというわけじゃない」
「それはコックピットの外にいるときに正しい決断ができるかどうかにかかっているんだ」
「彼がやったような形でドライバー市場をコントロールしようとすれば、最終的に自分の手に何も残らなくても驚くわけにはいかないよ。だって、セブ(セバスチャン・ベッテル/フェラーリ)や僕だってドライバー市場に出ていたんだからね」
しかし、ハミルトンもドライバーとしてのアロンソの力やその功績は高く評価している。
「僕はフェルナンドをすごく尊敬しているよ。彼は驚異的なドライバーだし、ここ数年の結果によってその評価がくつがえることはないと僕は信じている」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「僕は誰もが分かっていると思うよ。彼がF1の内や外に何をもたらしたかということをね」