NEXT...F1開催スケジュール

4度のF1王者プロストだからわかる違いとは?「今のハミルトンに勝つのは不可能」

2018年10月30日(火)5:01 am

4度F1チャンピオンとなった実績を持つアラン・プロストが、通算F1ドライバーズタイトル獲得数で自分の記録を上回ったルイス・ハミルトン(メルセデス)を賞賛した。

●【画像:決勝レース結果】2018年F1第19戦メキシコGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

これまではプロスト、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、そしてハミルトンが歴代3位記録である通算4回のF1ドライバーズタイトル獲得記録で並んでいた。

しかし、今季のF1第19戦メキシコGPで通算5回目のタイトル獲得を確定させたハミルトンは、プロストとベッテルを追い抜いてこれまで1950年代に活躍したアルゼンチン出身ドライバーのファン・マヌエル・ファンジオが持つ歴代2位の記録に並んだ。

■シューマッハの記録更新も狙えるとロズベルグ

かつてハミルトンのチームメートとして戦い、2016年にドライバーズタイトルを獲得してそのままF1を引退してしまったニコ・ロズベルグはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語っている。

「今年の彼は特によくやったよ。シーズンを通じてフェラーリのほうがいいクルマを持っていただけにね

「今後、彼はミハエル(シューマッハ)が達成した記録も見据えることができる。彼にはあと2年の契約があるし、あと20勝できる可能性もあるから、歴代最高記録を打ち立てることも可能だよ。それによって彼のやる気がさらに高まるはずさ」

ちなみに、F1ドライバーズタイトル最多獲得記録はシューマッハが持つ7回だ。さらに、F1最多勝利記録もシューマッハが91勝でトップに立っている。そして、勝利数でも歴代2位の記録を持つのがハミルトンで、現時点で71勝を達成している。

■ハミルトンという好敵手が必要だとベッテル

今季のドライバーズタイトルに手が届かず、通算タイトル獲得数でハミルトンに上回られてしまったベッテルは、そのハミルトンの存在が自分のやる気につながるのだとメキシコGP決勝後に次のように語った。

「彼と再び戦いたいし、最高の彼でいてもらうことが必要だ」

■ハミルトンはもっと成長できるとプロスト

現在ルノーの特別アドバイザーを務めているプロストは、通算タイトル獲得数を5回に伸ばしたハミルトンについて次のように語った。

「F1タイトルを複数回とれるようなドライバーはほかの者たちとは違うことをやっているのは確かだよ。ルイスに関して私が最大の違いだと思うのは、もっといいドライバーになるために自分にどういうことを課しているかということだ」

「今季は彼にとってベストのシーズンだったのではないかと思うし、彼はもっとうまくなれるだろう。たとえ自分のクルマがあまりよくないときでも、彼は2位か3位にはなる。そして予選で何か特別なことをする必要があるとき、彼はそれをやりとげることができるんだ。シンガポール(第15戦)のときみたいにね」

■メルセデスの功績も大きい

プロストは、そのハミルトンの才能をうまく引き出すことに成功したメルセデスというチームも評価に値すると次のように続けた。

「彼のチームはルイスの独特なライフスタイルも支持しており、それが彼に大きな自信と強さを与えている。それが彼にとってはものすごく重要なんだ」

■ベッテルがハミルトンに勝つのは無理だった

いまやかつての名ドライバーたちの記録をしのぐ勢いを持つハミルトンだが、プロストはそう簡単に過去のドライバーたちと比較することはできないと次のように続けている。

「各世代を比較することはできないよ」

「我々の時代においては、おそらく(アイルトン)セナと私が最高だっただろう。今言えるのは、ルイスは彼の時代において最高ではないとしても、最高レベルのひとりだということだ」

「セバスチャンもいいシーズンを送った。だが、ルイスとメルセデスのコンビネーションを打ち負かすには不十分だった。彼はまずいときにミスを犯してしまった。バクー(第4戦アゼルバイジャンGP)、あるいはホッケンハイム(第11戦ドイツGP)でね。ああしたことがなければ、彼はその時点で30ポイントリードできていたはずだし、プレッシャーも小さかったはずだ」

そう語った63歳のプロストは次のように付け加えた。

「ルイスの方が今年はセブ(ベッテルの愛称)に対して心理的にすごく強かったということだ。彼はすごく成長したね。こういう状況のもとで彼に打ち勝つのは不可能だよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック