ベルギー出身の元F1ドライバーであるティエリー・ブーツェンが、後輩のストフェル・バンドーンがマクラーレンのシートを失ったのは結果が残せなかったためであり、仕方のないことだと語った。
2015年のGP2シリーズチャンピオンとなるなど、下位カテゴリーで素晴らしい実績を残してきたバンドーンが2017年にマクラーレンのフルタイムドライバーとなることが決まったとき、ブーツェンはバンドーンについてF1チャンピオンになってもおかしくない逸材だとコメントしていた。
しかし、F1キャリアをわずか2シーズンで終えることになったバンドーンは、2019年にはフォーミュラEへ転向することになっている。
現役時代にはウィリアムズ在籍時に3勝をあげた実績を持つブーツェンはベルギーのテレビ局『RTBF』に次のように語った。
■バンドーンは自分の才能を示すことに失敗した
「すごく単純な話さ」
「ストフェルにはF1で2年走るチャンスがあったが、さまざまな理由によって、自分に何ができるかを示すことができなかった」
「彼は、少なくともチームメートと同じくらい速く走ることができるのを示さなくてはならなかった。だが、フェルナンド・アロンソの方がいつもコンマ5秒上回っていた」
「これに関してはいくつも理由があるだろう。だが、それがドライビングあるいは技術的な問題であろうと関係のないことなんだ。ストフェルには自分の才能を示すために2シーズンあったが、それをうまくやることができなかった」
「私も悲しいよ。ストフェルにはF1にふさわしい才能があるからね。だが、F1とはそういうところなんだ。ドライバーはティッシュペーパーのようなものさ。使えるうちは使ってもらえるが、必要がなくなれば捨てられてしまうんだ」
■バンドーンの課題は心理面
チームCEOとしてマクラーレン・レーシングを率いるザック・ブラウンは最近、バンドーンにはF1でやるにふさわしいだけの強引さが欠けていたという趣旨のコメントを行っている。
だが、ブーツェンは、バンドーンは心理面の影響を受けてしまっていたのだと考えている。
「自分の期待通りに物事が運ばなかった場合、自問を始め、不安を抱えてしまうものなんだ」
「だが、もしストフェルがフォーミュラEで勝ち始めるようになれば、彼も精神的にもっと強くなるだろうと私は思っているよ。そうすればF1復帰だって可能かもしれない」
そう語ったブーツェンは次のように付け加えた。
「彼も一度は(F1に)上がってきたわけだし、2回目があってもおかしくないだろう。それは彼次第だよ」