2018年F1第18戦アメリカGPが10月21日(日)、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(1周5.513km)で3日目を迎え、現地時間午後1時10分(日本時間22日午前3時10分)から行われた決勝でフェラーリのキミ・ライコネンが優勝した。今季初、通算21勝目。
●【画像:決勝レース結果】2018年F1第18戦アメリカGP決勝のタイム差、周回数、ピット回数
■スタートでライコネンがハミルトンを攻略
晴天のもとで決勝がスタートすると、2番グリッドスタートのライコネンがここに持ち込まれたドライタイヤの中で一番柔らかいウルトラソフトタイヤのグリップを生かしてポールシッターのルイス・ハミルトン(メルセデス)を攻略。ライコネンはそのままハミルトンとのギャップを開いていく。
後方では数台がからむクラッシュが発生。ここでフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)とロマン・グロージャン(ハース)が早々とリタイアとなってしまう。
一方、赤旗無視によるグリッド降格ペナルティーを受けて5番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は4番グリッドスタートのダニエル・リカルド(レッドブル)をオーバーテイクしようとして接触しスピン。ここで一気に15番手に順位を下げてしまった。
しかし、ベッテルはその後すぐに下位チームのマシンを次々に追い抜き、5周目にはトップ10に復帰。また18番グリッドスタートだったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)もこの時点ですでに7番手にまで順位アップを果たしていた。
■VSC導入で分かれたタイヤ戦略
レースが9周目に入ったところで4番手を走行していたリカルドのマシンにトラブルが発生。リカルドはコース脇にクルマを止めて無念のリタイアとなってしまった。
ここでリカルドのクルマを撤去するためにVSC(バーチャルセーフティカー)が導入されると、2番手に順位を下げていたハミルトンがピットに入りソフトタイヤに交換する。残り周回数を考えればハミルトンは2回ストップ作戦をとることがほぼ確実となった。
一方、トップに立っていたライコネンはそのままステイアウトし、最初のスティントを伸ばして1回ストップでレースを走りきる戦略をとる。
ハミルトンはチームメートのバルテリ・ボッタスの後方3番手でコース復帰。VSCが解除されるとどんどんボッタスとの間隔を詰めていき14周目にボッタスの前に出るとトップを走るライコネンとのギャップを縮めにかかる。
■ハミルトンの攻撃をしのいだライコネン
56周で行われたレースが20周目を迎えるころにはハミルトンがライコネンの背後に迫り、オーバーテイクのチャンスを狙ってプレッシャーをかけていく。しかし、ライコネンもたくみなライン取りでハミルトンに追い抜きを許さない。
そして22周目にライコネンがピットに入り、ソフトタイヤに交換。ライコネンは5番手でコース復帰する。23周目には3番手にまで順位を上げていたフェルスタッペンもピットイン。フェルスタッペンはスーパーソフトタイヤに交換してライコネンの後ろでコースに戻った。
24周目にはボッタスがピットに向かう。ところが、ソフトタイヤに交換してコースに戻ったボッタスは先にピットインしていたフェルスタッペンに先行を許してしまった。
27周目にはベッテルもピットに入りソフトタイヤに交換。これでライコネンが2番手に浮上し、前を走るハミルトンを追いかける形となった。ベッテルはボッタスの後ろ5番手でコースに戻る。
■タイヤ戦略成功のライコネンがトップに復帰
タイヤが厳しくなったハミルトンが38周目にピットに入り、新品のソフトタイヤに交換。ハミルトンは4番手でコース復帰し、ここでライコネンが再びトップの位置に戻った。
40周目には3番手を走行していたボッタスがまたハミルトンに順位を譲り、この時点での順位はライコネン、フェルスタッペン、ハミルトン、ボッタス、ベッテルと変わった。
■終盤に激しい攻防が展開
レースが終盤に向かうと、ライコネン、フェルスタッペン、ハミルトンのギャップがだんだん縮まっていき、3台がひとつの集団を形成するようになる。またその後方ではベッテルがボッタスとのギャップを縮めていく。
レースが残り2周となったところでハミルトンがフェルスタッペンに攻撃をしかけ、2台がサイド・バイ・サイドの戦いを展開する。しかし、フェルスタッペンがなんとか順位を守りきる。一方、その後方ではベッテルがボッタスを攻略して4番手に浮上した。
■ドライバーズタイトル確定は持ち越し
結局、レースはその順位のままでファイナルラップを迎え、ライコネンが2013年の開幕戦オーストラリアGP以来5シーズンぶりとなる通算21回目の優勝を飾った。
18番グリッドからスタートしたフェルスタッペンが2位表彰台をゲット。ハミルトンは3位に終わった。ベッテルがその後ろ4位でフィニッシュしたことから両者のポイント差が70ポイントに開いたものの、今季のドライバーズタイトル確定は次戦メキシコGP以降に持ち越されることになった。
規定数を超えるPU交換を行ったことで最後列からスタートしたトロロッソ・ホンダ勢だが、懸命な走行を見せたものの最後尾20番グリッドからスタートしたブレンドン・ハートレーが11位、19番グリッドスタートのピエール・ガスリーは14位でレースを終えている。
■決勝トップ10ドライバー(暫定)
優勝/キミ・ライコネン(フェラーリ)
2位/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
3位/ルイス・ハミルトン(メルセデス)
4位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
5位/バルテリ・ボッタス(メルセデス)
6位/ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
7位/カルロス・サインツ(ルノー)
8位/エステバン・オコン(フォース・インディア)
9位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
10位/セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
次戦2018年F1第19戦メキシコGPは10月26日(金)の現地時間午前10時(日本時間27日午前0時)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで開幕。決勝は10月28日(日)の現地時間午後1時10分(日本時間29日午前4時10分)にスタートする。
注)決勝レース後、エステバン・オコン(フォース・インディア)とケビン・マグヌッセン(ハース)が失格になったため、ハートレーは9位入賞を果たした。
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