「レースをもっと面白いものにするためにF1は基本に立ち返る必要がある」
そう考えているのはルノーの特別アドバイザーを務めているアラン・プロストだ。
■今のF1テクノロジーは複雑過ぎる
現役時代に4度F1王座についた経験を持つプロストは、『Ouest-France(ウエスト・フランス)』から2021年以降のF1ルールはどのようなものであるべきだと思うかと質問されると、自分は“純粋主義者”だと認め、ルールもマシンもシンプルだった昔の方が今よりもずっとよかったと次のように語った。
「(現在の)エンジンルールは最も複雑だ」
「エンジンに改良をくわえるたびに大きなコストがかかってしまう。しかし、いずれにせよ、エンジンはもっと燃料を使えるようにすればさらにパワフルになるしパフォーマンスも向上するんだ」
プロストはさらに、技術ルールをよりシンプルなものにすることでほかのエリアも今よりもうまく機能するようになるはずだと次のように続けた。
「技術的にもっとシンプルにすべきだ。そうすれば驚きが起きる可能性も高まるし、創意工夫やドライバーによる差が見えてくる。現在我々が目にしているマシンによる戦争はパフォーマンスの80%が空力とエンジンによるものだからね」
「私はバランスがもっとよくなればいいと思っているよ」
■問題はテクノロジーのバランス
2019年には空力レギュレーションが修正されることになっている。その目的は、現在のF1マシンの空力処理が複雑になり過ぎたがために、後方に乱気流が発生し、それが追い抜きを減らすことにつながっていると考えられているためだ。
だが、プロストはそのルール変更の効果が大きく現れるかどうかは疑問だと考えている。というのも、現在のF1マシンのサイズそのものが主要な問題だと考えられているためだ。
「個人的には、ディフューザーをとっぱらってしまいたいね。私の時代にはパフォーマンスを高めるためにそれぞれに違うコンセプトを採用していたし、何の問題なくお互いに追いかけ合うことができていたよ。空力的にはもっとシンプルなクルマにする必要がある」
そう語ったプロストは次のように付け加えた。
「我々は過去へ戻ることはできない。異なるテクノロジーを抱えるのは非常に複雑だからね。だが、テクノロジーのバランスをとることができれば、一味違ってくるはずだよ」