先週末に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPでルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝し、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が6位で終えたことから、両者のポイント差は4レースを残す段階で67ポイントに広がってしまった。
ランキングトップのハミルトンは、次戦アメリカGP(現地時間21日決勝)でベッテルとの差をあと8ポイント以上広げることができれば、その時点でベッテルの逆転タイトル獲得の可能性は完全に消え、ハミルトンの2年連続5回目のF1ドライバーズタイトルが確定することになる。
■ハミルトンから見たタイトル確定の条件
ちなみに、アメリカGPでハミルトンのタイトル獲得が決まる条件は、ハミルトン側から見て次の通りだ。
1. ハミルトン優勝の場合はベッテルが3位以下
2. ハミルトンが2位の場合はベッテルが5位以下
3. ハミルトンが3位の場合はベッテルが7位以下
4. ハミルトンが4位の場合はベッテルが8位以下
5. ハミルトンが5位の場合はベッテルが9位以下
6. ハミルトンが6位の場合はベッテルが11位以下(ノーポイント)
アメリカGPの結果が上記のいずれかに該当した場合には、仮に残りの3レースすべてでハミルトンがノーポイントに終わり、ベッテルが3連勝を果たしたとしても、ベッテルが逆転でタイトルを獲得することは不可能となる。
逆に言えば、ベッテルが非常にかすかながらタイトル獲得の望みをメキシコ以降に持ち越すためには、少なくともアメリカGP終了時点でのハミルトンとのポイント差を75ポイント未満にとどめることが必要となる。
ともあれ、現在のハミルトンの調子やメルセデスの安定度から考えれば、ベッテルの逆転タイトル獲得の確率はほぼゼロであることは間違いない状況だ。
■まだ終わったわけではないとヴォルフ
それにもかかわらず、メルセデスF1チームを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、まだ慎重な姿勢を崩そうとはしていない。
「集中を切らさないことが重要なんだ」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「実際にトロフィーを手にするまでは、まだそれは自分たちの手の中にはないんだからね」
「ひとつでも悪い結果に終われば突然たくさんのポイントを失うことになる。そういうことにはならないように見えるが、レースではそういうことが起こりえるんだ。何が起きても不思議ではないスポーツだからね」
「必要以上に心配するつもりはないよ。我々はただアメリカへ行き、自分たちの仕事をするだけだ」
伝説的元F1チャンピオンであるファン・マヌエル・ファンジオが持つ通算5回のF1ドライバーズタイトル獲得に王手をかけたハミルトンはオースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で行われる次戦アメリカGPに向けて次のように語っている。
「オースティンはこれまで僕たちにとってはいいサーキットだったし、あそこでこのけだもののようなクルマを解き放つのが待ちきれないよ」