イタリアではメディアによるフェラーリとセバスチャン・ベッテルに対するバッシングが一段と強さを増している。
先週末に鈴鹿サーキットで行われたF1日本GPではルイス・ハミルトンが優勝し、ベッテルは6位に終わってしまった。この結果両者のポイント差は67に広がり、早ければ次戦アメリカGP(21日決勝)でハミルトンの通算5回目のF1王座獲得が決まってしまう状況となってしまった。
今シーズン中盤まではフェラーリが最大のライバルであるメルセデスと互角以上の戦いを展開。フェラーリから2007年のキミ・ライコネン以来となるF1ドライバーが誕生するだろうという期待感がイタリア国内で膨らんでいた。
だが、その期待がまだあと4戦を残す時点でほぼ完全にしぼんでしまったことでイタリアのメディアもいら立ちを抑えきれないようだ。
■今のフェラーリは救いようがない
「フェラーリはぼろぼろだ」
日本GPの結果を受けてそう書いた『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように続けている。
「ミスを犯す戦略担当者がいる。失敗から何も学ぶことができない無力なドライバーがいる。自分のチームを責めるチーム代表がいる。そしてクルマはどんどん力を弱めている」
「モンツァ(第14戦イタリアGP)の前には、これほどまでの崩壊は想像すらできなかった」
■運も悪かったが・・・・・・
『La Stampa(スタンパ)』も次のように書いている。
「運が悪かったのかもしれない。だが、セバスチャン・ベッテルがもはや正しいことを何もしないのも事実だ」
■悪いのはすべてフェラーリとベッテル
『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』はさらに痛烈だ。
「問題があるのはチームとそのドライバーだけだ。ベッテルは深い実存的危機にある」
■ベッテルは信頼の危機に直面
『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は、日本GP予選でベッテルが9番手に沈んだのはチームのミスによるものだが、ベッテルもせっかく4番手に浮上しながら不用意にフェルスタッペンに攻撃をしかけたことでみすみすチャンスを失ってしまったと次のように書いている。
「あのドイツ人は素晴らしいスタートを帳消しにしてしまい、おぞましいミスのコレクションをまた増やしてしまった」
「こうしたミスは4回F1チャンピオンとなった者が内に大きな不安を抱えていることを示すものだ。彼は今信頼の危機に直面している」
■フェラーリは崩壊状態
そして、『La Repubblica(レプブリカ)』は、通算5回目のF1ドライバーズタイトル獲得に王手をかけ、アルゼンチンの英雄ファン・マヌエル・ファンジオと並ぶ歴代2位の記録達成に近づいたハミルトンに言及しながら次のように報じている。
「ハミルトンがファンジオの記録に近づく一方、フェラーリのシーズンは失敗に終わった」
「ベッテルは敗退に向けて最悪の瞬間を選択し、フェラーリは自分たちのスタッフを批判するチーム代表マウリツィオ・アリバベーネのもとで崩壊している」