最近フェラーリに一時の強さが見られなくなったのはFIA(国際自動車連盟)がPU(パワーユニット)に設置したセンサーが原因となっているかもしれない。
■ここ2戦でパフォーマンス低下が見られたフェラーリ
今シーズン前半に、ライバルチームからフェラーリPUの合法性に関する疑問の声が上がったことから、F1統括団体であるFIAはフェラーリPUのエネルギー回生システムにセンサーを設置し、違法な処理が行われていないかどうかのモニターを行っていた。
その結果、フェラーリPUに違法な点はなかったと結論付けたFIAだが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、最近2つめのセンサーがフェラーリPUに追加されていたのだという。
直近2レースにおいてフェラーリが明らかにメルセデスに対してパフォーマンスが劣っていたのはそれが原因ではないかというのだ。
■フェラーリのパフォーマンス低下は事実だとルノー
ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は、フェラーリのパフォーマンスが低下したのは事実だと次のように語っている。
「それは我々のGPS(グローバル・ポジショニング・システム)ではっきりと見てとれるよ」
メルセデスのエンジン責任者であるアンディー・コーウェルは、それでもフェラーリには「まだかなりのパワーがある」と語っているものの、今季はフェラーリに最強マシンの称号を奪われたかに見えたメルセデスが直近2レースでは明らかにフェラーリを上回るパフォーマンスを示していたのは事実だ。
■もう少し様子を見ようとロズベルグ
2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは、第15戦シンガポールGPと第17戦ロシアGPでフェラーリに起きた不可解なパワーダウンの原因は何だと思うかと母国ドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』から質問されると、「僕たちにその判断はできないと思うよ」と答え、次のように付け加えた。
「今後のレースを待とうじゃないか。もしその状態が続くようであれば、僕たちも『何かが起きたんだ』と言うことができるだろう。だけど、そう言うにはまだ早すぎるよ」