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【決勝レポート】ハミルトンがタイトル獲得に大きく前進 トロロッソ・ホンダは無念のダブルリタイア/F1ロシアGP

2018年09月30日(日)22:48 pm

2018年F1第16戦ロシアGPが9月30日(日)、ソチ・オートドローム(1周5.848km)で3日目を迎え、現地時間14時10分(日本時間20時10分)から行われた決勝でメルセデスのルイス・ハミルトンが優勝した。今季8勝目、通算70勝目。

●【画像:決勝結果】2018年F1第16戦ロシアGP決勝レースのタイム、周回数、ピット回数

■悪夢の展開となったトロロッソ・ホンダ

レッドシグナルが消えてレースがスタートすると、3番グリッドからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が猛然とハミルトンに襲い掛かる。しかしハミルトンも譲らず、1周目にはメルセデス勢とフェラーリ勢の順位変動は起きなかった。

しかし、年間規定数を超えるPU交換によりグリッド後方からスタートしたトロロッソ・ホンダ勢にはブレーキがらみのメカニックトラブルが発生してしまい、ピエール・ガスリーがそれによるスピンで最後尾まで順位を下げてしまう。

その後数周を行ったトロロッソ・ホンダ勢だが、結局レースをあきらめ、ガスリーとブレンドン・ハートレーの2台ともに5周目にピットに戻ってそのままリタイアとなった。

一方、7番グリッドからスタートしたザウバーのシャルル・ルクレールはハースのケビン・マグヌッセンとフォース・インディアのエステバン・オコンをかわして5番手に浮上。2019年にF1デビュー2年目にしてフェラーリのシートに座ることになったルクレールがここでもその才能を示す走りを見せた。

■レッドブルはグリッド後方から順調に順位アップ

規定外PUとギアボックス交換などで19番グリッドからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンだが、なんとレースが4周目を迎えたときにはすでにポイント圏内の10番手にまで順位アップ。その後も着実に順位を上げていく力強さを発揮する。

レースが10周目を迎えるころからソチに持ち込まれたドライタイヤの中で最も軟らかいハイパーソフトタイヤや中間に位置するウルトラソフトタイヤでスタートしていたドライバーたちがピットに戻ってタイヤ交換を行い始める。

そうした中、一番硬いソフトタイヤでスタートしていたレッドブル勢が着実に順位を上げていき、レースが12周目に入るころにはフェルスタッペンが5番手、18番グリッドからスタートしていたレッドブルのダニエル・リカルドも7番手にまで順位を上げる。

■一度は前に出られたベッテルをハミルトンが攻略

レースが13周目を迎えたときにトップを走行していたボッタスが上位勢では一番先にソフトタイヤに交換。14周目にはベッテルもピットに入り、ソフトタイヤに交換する。

その次の15周目にハミルトンもピットへ向かう。そしてソフトタイヤに交換したハミルトンだが、コースに戻ったときにはアンダーカットを成功させたベッテルに先行を許してしまう。

だが、ここでハミルトンが猛然とベッテルに襲い掛かる。そしてハミルトンが並びかけようとしたときにベッテルがその前を遮るように方向転換し、あわや2台が接触するかと思われるシーンも展開された。

懸命にハミルトンから順位を守ろうとするベッテルだが、マシンのパフォーマンス差がかなり大きいと見たか、次のコーナーでは比較的あっさりとハミルトンに追い抜きを許した。

■チームオーダー発令でハミルトンがボッタスの前に

この時点では4番グリッドからスタートし、まだタイヤ交換を行っていないキミ・ライコネン(フェラーリ)が暫定トップの位置を走行。2番手にはソフトタイヤでスタートしたフェルスタッペンが続き、それにタイヤ交換を済ませたボッタス、ハミルトン、ベッテルが続く状況となった。しかし、19周目にはライコネンもピットイン、ここで今日21回目の誕生日を迎えたフェルスタッペンが暫定トップの位置に上がった。

ところが、レースが25周目を迎えたときにボッタスがスピードをゆるめ、ハミルトンを自分の前に出す。もちろん、チームからの指示によるものだった。

■後方スタートのレッドブルがトップ6に復帰

その後しばらくたんたんとしたレースが続くが、36周目に7番手に位置していたルノーのニコ・ヒュルケンベルグがピットに入り、スタートタイヤのソフトタイヤからウルトラソフトに交換。これでまだタイヤ交換義務を果たしていないのは暫定トップを走行するフェルスタッペンと6番手にまで順位をばん回してきたリカルドのレッドブル勢だけとなる。

そして40周目にまずリカルドがピットイン。リカルドはウルトラソフトタイヤに交換するとともに序盤にダメージを負っていたフロントノーズを交換して、順位を失うことなく6番手でコース復帰を果たした。

そして44周目についにフェルスタッペンもピットロードへ入る。ウルトラソフトタイヤに交換したフェルスタッペンは5番手でコースに戻った。この時点で上位6番手までを3強チームと言われるメルセデス、フェラーリ、レッドブルのドライバーが占める形となった。

■ハミルトンとベッテルの差は50ポイントに

これでトップに躍り出たハミルトンが残りの周回を危なげなくこなし、今季8回目、通算70回目のトップチェッカーを受けた。2位にはチームメートのボッタスが入り、ランキング2番手のベッテルは3位でレースを終えた。

しかし、レース後にF1マシンから降りたハミルトンとボッタスの2人には笑顔はなく、このレースでチームから出されたチームオーダーによって勝敗が決したという後味の悪さが残るレースでもあった。

この結果、ハミルトンとベッテルの差は50ポイントに拡大。この時点でベッテルの自力タイトル獲得の可能性が消え、ベッテルとしては今後ハミルトンに大きな波乱が起きるようなことを期待するしかない状況に追い込まれてしまった。

序盤で2台ともにリタイアとなってしまったトロロッソ・ホンダだが、来週末はいよいよ鈴鹿サーキットで行われる日本GPを迎えることになる。ホンダのホームレースだけに、ロシアでの無念を鈴鹿で晴らすような活躍を期待したいところだ。

■決勝トップ10ドライバー(暫定)

優勝/ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2位/バルテリ・ボッタス(メルセデス)
3位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
4位/キミ・ライコネン(フェラーリ)
5位/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
6位/ダニエル・リカルド(レッドブル)
7位/シャルル・ルクレール(ザウバー)
8位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
9位/エステバン・オコン(フォース・インディア)
10位/セルジオ・ペレス(フォース・インディア)

次戦2018年F1第17戦日本GPは10月5日(金)の10時に鈴鹿サーキットで開幕。決勝は10月7日(日)の14時10分にスタートする。

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