セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、自分にはメンタルコーチのお世話になる必要はないと語った。
今季のF1第13戦ベルギーGPが終わった時点ではランキングトップのルイス・ハミルトンと並ぶ5勝をあげ、ポイント差も17とまだ十分に逆転するチャンスを手にしていたベッテル。
しかし、フェラーリが勝つ可能性が高いと考えられていた第14戦イタリアGPと第15戦シンガポールGPでは現F1チャンピオンのハミルトンが強さを見せて連勝。ベッテルがこれらのレースを4位と3位で終えたことにより、両者のポイント差は40と、事実上ばん回がほぼ不可能とも見える大差がついてしまっている。
■今季のタイトルをあきらめるつもりはない
しかし、ベッテルはまだあきらめるつもりはないとオーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に次のように語った。
「まだこの先には長い道のりがあるし、多くのポイントが残されているよ」
「僕たちのクルマの強みは、どこであってもかなりの強さを発揮できるということだ。だから、今度はどうなるだろうと心配する理由など何もないよ」
「僕たちは以前と比較すればロシアではだいぶ改善されてきたと思っている。だからまだ信じているよ」
■目の前のパズルに集中するだけ
ベッテルはさらに、ソチで今週末に開催されるF1ロシアGP(30日決勝)を前に、現在置かれている状況から今後のことを予想するようなことをするつもりはまったくないと母国ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「F1はパズルを当てはめていくようなものだよ」
「パズルを完成させることが夢であり、目標だし、それが重要なんだ。ほかのことで気を散らしたりなどできないよ」
■批判記事などには目を通さない
しかし、今年のベッテルは強いプレッシャーにうまく対応できていないようだという声もある。
「もちろん、僕にはプレッシャーがあるよ」
「だけど、ほとんどの場合、自分にプレッシャーをかけているのは自分自身なんだ」
そう語ったベッテルは、余計なプレッシャーやストレスを抱え込まないよう、世間で語られている自分に関する記事などはできるだけ遠ざけているとほのめかし、次のように付け加えている。
「時間が空いたとき、僕はF1の記事にはほとんど目を通さない。読むのは主にサッカーの記事だよ。それに、僕は世間での批判などが目や耳に届かないようにしているしね。だけど、普段モットーにしているのは、決して自分はみんなから言われるほどよくもなければ悪くもないってことさ」
■メンタルコーチは必要ない
F1関係者の中には、ベッテルにもメンタル面でサポートを行うコーチが必要なのではないかと考えている者もいるようだ。しかしベッテル自身はその必要があるとは考えていないようだ。
「ある意味ではすごく興味深いと思うけれど、僕は自分を助けることができそうな人と今までに会ったことがないんだ」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「僕もそれについては調べてみたし、その話題を聞き流したというようなことではないよ。だけど、僕は自分にうまく作用するやり方を自分で見つけたよ」