今季限りでマクラーレンのシートを失うことになったストフェル・バンドーンだが、今季残りのレースにも「全力を尽くしていく」と語った。
■マクラーレンでつまずいたバンドーン
2013年にマクラーレンとジュニアドライバー契約を結んだバンドーンは、2014年にはGP2参戦初年度にランキング2位となり、翌2015年には同シリーズの年間チャンピオンとなっている。
下位カテゴリーで非常に優秀な成績を収めてきたバンドーンが2017年にマクラーレンの正ドライバーに昇格したときには、かなりの活躍を見せるものと期待されていた。
だが、2年目の今季はチームメートのフェルナンド・アロンソから大きく引き離され、ドライバーズランキングも現時点では16番手に沈んでしまっている。
こうしたこともあり、マクラーレンは26歳のバンドーンに替えて来季は18歳のルーキー、ランド・ノリスを起用することを決定。すでに今季限りでのF1引退を表明したアロンソの後任はカルロス・サインツ(現ルノー)が務めることが決まっており、バンドーンは行き場をなくしてしまった形となっている。
■今のクルマで最後までできる限りのことはするとバンドーン
そのバンドーンは今後に向けて次のように語った。
「来季マクラーレンで走ることはないと決まって以来、僕は今後のことにかなり目を向けている。それでも、僕は今シーズンの残りのレースには全力を尽くそうと100%の決意をしているよ」
「チームも僕も、今のクルマでできる限り最高の結果を出そうとものすごく懸命に取り組んでいるよ」
■シーズン後半に大きく後退したマクラーレンF1マシン
これまではあまり表だって不満や批判を口にすることがなかったバンドーンだが、放出されることが決まったこともあってか、最近ではマクラーレンのF1マシンに関する不満を表に出すようになっている。
マクラーレンの2018年型車MCL33は、シーズン開幕当初から速さはなかったものの、それでもアロンソが5戦連続でポイントを獲得するなど、その後の開発に期待を抱かせる状態ではあった。
ところが、特に夏休みが終わり、シーズンが本当の意味での後半戦に入るとマクラーレンの戦闘力や信頼性が大きく低下してしまい、特にバンドーンは第13戦ベルギーGPと第14戦イタリアGPではほぼすべてのセッションで最下位、もしくはそれに近い位置に沈んでしまった。
■極めて劣るクルマを造ってしまったとブラウン
マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンでさえ、現在のマクラーレンF1マシンは非力だと認めている。
「今後も頑張っていくが、残念ながら我々は変更に反応を示さない極めて劣るクルマを造ってしまった」
「我々が後退してしまったように見える一方で、ほかのチームは我々よりもうまく開発を行っている。だが、我々もあきらめるつもりはない。今抱えている問題を特定しつつあるし、その解決に取り組んでいるところだ」
スペインの『El Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』にそう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「2019年は中間段階となるはずだ。しかし、恐らく2020年型車までは我々の技術的能力を完全に発揮できるようにはならないだろう」