キミ・ライコネンは今季限りでフェラーリのシートを失うことになったものの、シャルル・ルクレールとのトレードのような形で2019年にはザウバーに移籍することが確定。少なくとも2020年までは現役を続けることが明らかとなった。
ライコネンにとってザウバーは2001年にF1キャリアをスタートさせたチームであり、現在38歳のライコネンは恐らくそのザウバーでF1キャリアを終えることになると考えられている。
■素晴らしいニュースだとザウバー創設者
ザウバーの創設者であり、元チーム代表のペーター・ザウバーは今回のニュースに関してスイスの『Blick(ブリック)』に次のように語った。
「こういう可能性があるということはすでにモンツァで耳に入っていたよ」
「それが実現したということは、チームやファンにとって素晴らしいメッセージだ」
10月に75歳の誕生日を迎えるペーター・ザウバーは、現在アルファロメオをタイトルスポンサーに迎え、チーム代表にフレデリック・バスールを迎えるなどしてザウバーF1チームが大きく変革しつつあることがライコネンに加入を決断させたのだろうと考えている。
「1年前だったら、恐らく彼は移籍しようとは思わなかっただろうね」とペーター・ザウバーは付け加えた。
■2019年には7年ぶりに40代ドライバー登場
ザウバーと2年契約を結んだということは、その契約が満期を迎えるころにはライコネンは41歳になるわけだ。近年ではF1でも若いドライバーたちの活躍が目立つようになっているが、40歳を超えたドライバーが登場するのは2012年シーズンのミハエル・シューマッハ以来のことだ。
ちなみに、ライコネンは2019年シーズン中の10月に40回目の誕生日を迎えることになる。
■ザウバーとライコネンの両者にメリットが
ライコネンと同じフィンランド出身の元F1ドライバーであるミカ・サロは、年齢的には高いものの、ライコネンはザウバーにとって貴重な存在になるはずだと考えている。
「F1はビジネスだし、キミの名前でスポンサーも呼び込めるだろうからよりよい財政基盤が作れるよ。これはザウバーにとってはすごく重要なことだ」
フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』にそう語ったサロは、ザウバー加入はライコネン自身にとっても悪いことではないはずだと次のように付け加えた。
「期待度がものすごく高いわけではないから彼はプレッシャーなしでレースをすることができる。恐らく、これまでよりは少しリラックスして走ることができるんじゃないかな」
■ライコネンにザウバーの株式取得の可能性
サロはさらに、将来ライコネンがザウバーでF1チーム運営にかかわるような仕事に就く可能性もあると考えている。
「キミの周囲にはほかにもうわさがあるんだ。キミがザウバーの株を買うんじゃないかとね」
ライコネンが将来ザウバーの共同オーナーとなる可能性を示唆したサロは次のように結んでいる。
「僕の意見だけど、これは単にクルマを走らせるだけじゃなく、それ以上の意味があるよ」