かつてマクラーレン、フェラーリ、ティレル、ベネトン、プロストでチーム運営にかかわってきた経験を持つホアン・ビラデルプラットが、マクラーレンの将来が心配だと語った。
ビラデルプラットがF1に最初にかかわったのはマクラーレンでのことだった。
「私はマクラーレンの誕生を目にしたんだ。私は最初にロン(デニス)と始めた1人だからね」
母国スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』にそう語ったビラデルプラットは次のように続けた。
■マクラーレンが苦境を脱することができるとは思えない
「私はマクラーレンの成長も見てきたし、その逆も見てきた」
「マンスール・オジェ(共同オーナー)がガンに打ち勝つことができないと思われたとき、その被害がロンに降りかかってしまい、最終的に彼は自分が作り上げたプロジェクトを離れることになってしまったんだ」
「今マクラーレンは困難な時期を迎えているが、彼らが今向かおうとしている方向性を信じるのは難しいと感じるときがある。私は彼らがこの穴から抜け出すことができるかどうか疑問に思っているよ」
■最大の問題は現首脳部
ビラデルプラットは、マクラーレンにとって最大の問題は現在チームを運営している人材だと考えている。
「マクラーレンに変化が起き始めたとき、彼らはロン・デニス派を一掃する必要があると感じていたんだ。だが、排除されてしまったのは、それまで何年にもわたってマクラーレンを強くあり続けさせるための特質や知性を持っている人たちだったんだ。たとえ戦闘力がない年が1年あったとしてもね」
「ロン・デニスはどうやったら再び勝てるのかということを探し求めていた。そうするためには、以前それをやったことがあり、どうすればいいか分かっていることが必要なんだ。私には今のマクラーレンの人たちは勝利者には見えない」
そう語ったビラデルプラットは、現在マクラーレン・レーシングをCEOとして率いているザック・ブラウンはもともと広告業界の人間であり、F1でトップチームを率いて行くだけの力は持っていないと示唆し、次のように締めくくっている。
「私は、ブラウンは弱いし、まだ学んでいるところだと見ている。確かに、まだ優れた人材はいるし、大きな潜在能力もある。だが、現時点において、彼らは必要な資金も想像力も持ち合わせていないよ」