インディカーシリーズも残すところあと2戦。第16戦は2007年(前身のCARTシリーズ)以来となるオレゴン州ポートランドでの開催された。
スタート直後に中団グループで4台以上が絡むアクシデントがあり、ポイントリーダーのスコット・ディクソン(チップガナッシ)が巻き込まれ、マシンへのダメージこそ小さかったが、最後尾まで順位を下げた。しかし、その後すぐにチャンピオン争いをしているウィル・パワー(ペンスキー)が単独アクシデントを起こすなど、レースは波乱の展開が続いた。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガンレーシング)は最初のフルコースコーション中に燃料を補給し、燃費セーブを強く意識した走りで上位を目指し、105周のレースの71周目にトップに立った。
そのままトップグループに残ることができた佐藤琢磨は、最後のピットストップを行ったあとにピットタイミングを違えた作戦のマックス・チルトン(カーリン)の後ろの2番手にいったんは下がったが、チルトンが給油のためにピットへと消えるとトップに戻り、その後はライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポート)とバトル。プッシュトゥパスを巧みに使いながらハンターレイとのリードを1秒程度に保ち、ミスなく走り続けてチェッカーフラッグを受けた。佐藤にとって今シーズン初勝利、キャリア3勝目、常設ロードコースでの初勝利が記録された。
2位はハンターレイ、3位はセバスチャン・ブルデー(デイルコイン・ヴァッサー/スリバン)でホンダは今シーズン10勝目を1-2-3フィニッシュの表彰台独占で飾った。
ポイントリーダーのディクソンは、レース展開も味方につけたスマートな戦いぶりで5位まで大きくポジションをばん回してフィニッシュ。ランキング2番手でポートランドを迎えていたアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)は、最多リードラップのボーナスポイント2点を稼いだが、展開に作戦を合わせ切れず、持っていたスピードを活かし切れずに8位でのゴールとなった。ディクソンのポイントリードは26点から29点に広がっている。