かつてマクラーレンやレッドブルで活躍した元F1ドライバーのデビッド・クルサードが、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)による今季のF1チャンピオン争いは史上最高レベルだと語った。
■今季の戦いは歴史に残る
「今シーズンは最高レベルのタイトル争いが展開されている。F1史上最高かもしれないね。これは歴史に残るよ」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語った47歳のクルサードは次のように続けている。
「ルイスとセバスチャンは単にすごく速くて集中しているだけでなく、まったく異なる性格を持っている。そして彼らにはそれぞれバルテリ・ボッタスとキミ・ライコネンという必ずしも裏方に徹するわけではない優れたチームメートがいる」
■タイトルを決めるのは“強さ”
ホームレースだった第11戦ドイツGP決勝でクラッシュするというミスを犯したことが響き、ベッテルは現在ハミルトンに24ポイント差をつけられてしまっている。そのベッテルのクラッシュにはフェラーリの地元イタリアを中心に批判的な声も多かった。
だが、クルサードはまだタイトル争いの行方は分からないと次のように続けた。
「最終的には強さが重要な要素になるんだ。弱さではなくね」
「彼らがトップに立っているのは彼らの強さのおかげさ。アブダビ(最終戦)が終わって初めて、誰が多くのミスを犯し、それで何ポイントを失ったのかを計算することになる。そこで初めてね」
■違い過ぎる2人だがお互いに尊敬している
一方、クルサードは、ハミルトンという人間に関してはあまりにも攻撃的な性格をしていると誤解されているようだと次のように続けた。
「実際のところ、彼はトラブルを好まないんだ」
「例えば、昨年のバクー(アゼルバイジャンGP)の後で彼は事態を解決するためにベッテルと男同士の話をしたがった。セバスチャンにも似たところがあるが、彼は家庭を持っているし、非常に成熟している」
ベッテルが故意にハミルトンのクルマに自分のクルマをぶつけるという事件が起きた2017年のF1第8戦アゼルバイジャンGP決勝を引き合いに出してそう語ったクルサードは次のように付け加えた。
「私は、彼らはスポーツのレベルにおいてお互いに尊敬し合っていると思うよ。彼らは友人になるにはあまりにも違い過ぎるけれどね」