ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)が、ダニエル・リカルド(現レッドブル)と契約するチャンスを逃すわけにはいかなかったと語った。
今月3日(金)にリカルドがルノーと2019年から2020年までの2年契約を結んだことが発表されたが、このニュースは大きな驚きをもって迎えられた。
■レッドブル残留が確実視されていたリカルド
今年でレッドブルとの契約が切れるリカルドについては、メルセデスあるいはフェラーリへ移籍するのではないかとのうわさがずっとささやかれ続けていた。
だが、メルセデスは来季も今季同様ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスのコンビでいくことを発表。フェラーリはキミ・ライコネン残留もしくはシャルル・ルクレール(ザウバー)登用のいずれかに絞りこまれたようだと考えられており、リカルドにとって残された選択肢は3強チームのひとつに数えられるレッドブルに残留することだと誰もが考えていた。
■オコンもしくはサインツだと考えられていたルノー
一方、ルノーに関しては、レッドブルの契約下にあるカルロス・サインツの残留、もしくはフォース・インディアにレンタル移籍されているメルセデス所属ドライバーのエステバン・オコン登用の可能性が高いだろうと伝えられていた。
リカルド獲得の背景について質問されたアビテブールは、オコンの名前が「候補者リスト」にあったことを認めたものの、それは「うまくいかなかった」と答えている。
さらに、サインツとの契約延長も検討されていたものの、ルノーにとってのネックはこの2人がいずれもライバルチームの契約下にあるドライバーだということだった。
■直接契約できる唯一のトップドライバーがリカルドだった
そうした中、アビテブールはリカルドに関し、「トップドライバーであるだけでなく、100%ルノーのドライバーを確保することができる唯一の選択肢だった」としている。
母国フランスのラジオ番組『RMC Sport(RMCスポール)』に対し、リカルドとの契約は「逃すにはあまりにも大きすぎるチャンスだった」と続け、次のように付け加えた。
「我々は彼と契約しないでおくことなどできなかった。こういうチャンスは2、3年に一度あるかないかだからね。次にトップドライバーたちを乗せた列車がやってくるのは、おそらく2021年以降になるだろう」