先週末にF1ドイツGPが開催されたホッケンハイムでは、決勝前のドライバーパレードの際に観客席からルイス・ハミルトン(メルセデス)に対してブーイングが行われていた。
今季のタイトル争いを繰り広げるセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の母国であるのは確かだが、メルセデスというドイツ国籍チームのドライバーにブーイングが浴びせられるのも少し異様な光景かもしれない。
■ハミルトンは演技過剰だとビルヌーブ
だが、1997年のF1チャンピオンであり、日ごろから容赦ない発言をすることで知られるジャック・ビルヌーブはこの件に言及しながら『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「ルイスはそれで驚いてはならないよ」
「彼はF1とハリウッドを混同しているんだ。彼が行うことはすべて演出だよ」
「彼はソーシャルメディアで自分があたかもイエス(キリスト)のように演じている。予選で問題を抱えたとき、クルマにひざまずいた様はまるで苦悩するキリストのようだった。そして、その後彼が発した言葉は山上の垂訓(イエスが山で群衆に説いた教え)だった」
「それから、彼は表彰台の上で、突然の雨を呼んだのは誰だったのかをみんなに示すようにドラマチックなジェスチャーをしてみせていたよ」
■ハミルトンの姿勢を評価するヴォルフ
ハミルトンはこうしたビルヌーブの発言に関し、ソーシャルメディアを通じてビルヌーブは自分に対する「褒め言葉を見つけることができなかったんだろう」とやり返していた。だが、その後ハミルトンはその投稿を削除している。
だが、ハミルトンのボスであるメルセデスのトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は、ハミルトンは自分の思うがままに発言し、行動すべきだと考えている。
「実際のところ、私は彼がああしたことをオンラインに残し、自分の気持ちを語ることを奨励していたんだ」
『The Sun(サン)』にそう語ったヴォルフは次のように付け加えている。
「それこそ我々が必要としているものなんだ。我々は物語を創造する必要がある。我々には論争が必要だ。我々には対立するスタンスが必要なんだよ」