ケビン・マグヌッセンが、所属するハースF1が来週に予定されているハンガロリンクでのシーズン内公式テストに参加しないという決定をした理由はよく理解できると語った。
■ハンガリーGP後には2019年型車開発にシフト
マグヌッセンの母国デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙によれば、ハースはF1ハンガリーGP(29日決勝)後は2019年型F1マシンの開発に注力する方針を固めているという。
2019年にはF1マシンの空力レギュレーションが大きく変わることになっており、ハースとしてはハンガロリンクでのテストに参加するよりも、次年度用F1マシンの方に全力を注いだ方がよいと判断したためだ。
この判断について、ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは次のように語っている。
「最近の5レースとシルバーストンでのテストによって非常に多くのデータを手にしている。だから、何にもならないことに金を使う必要などないよ」
■参加が予定されていた開発ドライバーにもトラブル
ハースがハンガロリンクテスト不参加を決めた理由はそれだけではないようだ。
本来ハースのハンガロリンクテストを担当することになっていたアメリカ人ドライバーのサンティノ・フェルッチが今年参戦しているF2レースでチームメートのクルマに故意にクラッシュしたとして今シーズンの出走禁止処分を受け、チームからも解雇されてしまったのだ。
ハースの開発担当ドライバーであるそのフェルッチに関しては今後どう対応していくのかと質問されたシュタイナーは、「それは私にとっては優先事項ではないよ」と答えるにとどまった。
■金のためにクルマを貸し出すつもりはない
だが、たとえテストであれ、シートに空きが生じればそれをF1昇格への足掛かりにしようと大金を払ってでも乗りたいというドライバーが出てきているはずだ。
だが、シュタイナーはそれには興味がないと次のように主張している。
「非常に多くのドライバーたちが金を持ってこうしたテストにやってくるよ。だが、結局のところ、我々はレンタカー業者ではないからね」
■チームスタッフを休ませるべきだとマグヌッセン
そして、ハースのドライバーを務めるマグヌッセンも、ハンガリーテスト不参加を決めたチームの決断は正しいことだと考えている。
「理にかなっているよ」
「テストではあまりたいしたことはやらないし、金もたくさん必要だ。それに、最近のレースを終えてスペアパーツの数も少なくなっている」
そう語ったマグヌッセンは、フランスGP、オーストリアGP、イギリスGPと初の3連戦を乗り切った後、一週の休みをおいてすぐにまたドイツGP、ハンガリーGPと2連戦に臨むことになるチームスタッフのことを気遣いながら次のように付け加えた。
「チーム全員にとってすごく厳しい月だったし、彼らは休んで当然だよ」