フェラーリの母国イタリアのメディアが、先週末にホッケンハイムで行われたF1ドイツGP決勝においてクラッシュしたセバスチャン・ベッテルに対する批判的報道を繰り広げている。
ポールポジションからスタートし、決勝でも危なげなくトップを快走していたベッテルだが、レース途中で降り出した雨に文字通り足をすくわれてしまい、マシンコントロールを失ってバリアにクラッシュ。そこでレースを終えてしまうことになった。
■ベッテルは自分でチャンスを投げ捨てた
ドイツ出身の元F1ドライバーであり、2016年にメルセデスでF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグは、このベッテルのクラッシュについて次のように語った。
「あれは彼のキャリアにおける汚点だったね」
「彼には母国で勝ち、ハミルトンとのポイント差を広げるチャンスがあった。そして彼はそれをすべて投げ捨ててしまったんだ」
■壊滅的なクラッシュだと責めるメディアたち
時として過激な報道を行うことで知られているイタリアのメディアはベッテルに対してさらに厳しい評価を下している。
『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』が「彼の失敗は壊滅的だ。これによってフェラーリがF1タイトルを失うことになるかもしれない」と書けば、『La Stampa(スタンパ)』も追い打ちをかけるように次のように報じている。
「このドイツ人(ベッテル)はここまでの11戦において少なくとも4回のミスを犯している」
「F1チャンピオンになれる才能を持っていることに疑問の余地はないが、彼の行き過ぎた熱意がフェラーリのシーズンを傷つけてしまっている」
■ハミルトンとの比較も
さらに、『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』は14番グリッドからスタートして優勝を手にいれたメルセデスのルイス・ハミルトンを「自己主張と集中の達人」だとたたえ、次のように続けている。
「この2人のスタードライバーの姿勢が違いを生んでいるのだ」
手厳しい批判を受けることになったベッテルだが、ドイツGP決勝では急変したコンディションにより、スピンしたりコースオフしたりするドライバーが多かったのも事実だ。
このレースを4位で終えたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ベッテルの犯したミスについて質問を受けると、あれは「僕たちの誰にだって起こりえることだった」と擁護するコメントを行っている。
■批判は気にしないとベッテル
しかし、ベッテル本人はあのクラッシュについて言い訳をするつもりはないようだ。
「同情なんていらないよ。あれは僕のミスだった」
そう語ったベッテルは次のように付け加えた。
「すべてがうまくいけばみんなからの声援を受けられるし、何かミスをすれば非難されてしまうものさ。だからみんながどう言っているか、あまり気にはしていないよ。僕は自分自身と仲良くやっていかないとならないからね」