ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、ドライバーを務めるロマン・グロージャンにそのうち「重大な局面」が訪れるかもしれないと警鐘を鳴らした。
■チームの足を引っ張るグロージャン
2016年にF1挑戦を開始したハースにナンバー1ドライバー待遇で迎え入れられたグロージャンだが、今季はまさにスランプとも言える状態に追い込まれている。もちろん、これにはチームがタイヤ交換作業をミスするといったグロージャンにとっては不運なことがあったのも事実だ。
しかし、開幕から8戦連続でノーポイントに終わっていたグロージャンは第9戦オーストリアGPで4位入賞を果たし、これでやっと波に乗ってくるかと思われた。
だが、イギリスGPでは予選こそ8番手で終えたグロージャンだったが、決勝ではカルロス・サインツとクラッシュしてしまい今季4度目のリタイアを喫してしまった。
それだけではない。グロージャンは金曜フリー走行でもクラッシュし、チームはそのマシンのシャシーを交換しなくてはならなかった。さらに決勝ではサインツとのクラッシュを起こす前にもチームメートのケビン・マグヌッセンと接触するという失態を犯していたのだ。
■忍耐にも限度があるとシュタイナー
「私はあれを失敗とは言わないよ」
そう語ったシュタイナーは次のように続けた。
「だんだん不満が募りつつある」
「毎回、我々は彼にとってよい方向へ向かうように期待している。だがまた同じことが起きてしまうんだ。もちろん、我々はそれに対処するつもりだ。だが簡単なことではないよ」
「我々にはポイントを獲得する必要があるし、すべてのレース週末において最大限のことを行う必要がある。我々にとっては立ち止まるのではなく、前進することが重要なんだ」
■ミスでポイントを失うのは「受け入れられない」
そう語ったシュタイナーは、このままではいつかグロージャンが「重大な局面」を迎えるかもしれないと次のように続けた。
「私はロマンを支援するし、それが私の仕事だ。私はチームの成功が大事だからね。こういう状況がいつまで続くのかは分からないし、いつ重大な局面が訪れるかも分からないよ」
「まだその時期には至っていない。だが、どこかの時点でポイントを失うことにストップをかけなくてはならない。それが極めて重要なことなんだ」
そう語ったシュタイナーは次のように付け加えた。
「シーズン前半には自分たちのミスであまりにも多くのポイントを失ってしまった。これは受け入れられることではないよ」
今季はここまでに10戦が消化されたが、ハースは現時点でトータル51ポイントを稼いでコンストラクターズランキング5番手に位置している。だが、そのうち39ポイントはマグヌッセンが稼いだもので、グロージャンはオーストリアで獲得した12ポイントのみとなっている。