フェラーリのマウリツィオ・アリバベーネ(チーム代表)とセバスチャン・ベッテルが、今週末にシルバーストン・サーキットで行われるF1イギリスGP(8日決勝)では苦戦を強いられるかもしれないとの考えを示した。
先週末にレッドブルリンクで行われたオーストリアGPではメルセデスが2台ともマシントラブルによるリタイアを喫するという非常に珍しい光景が展開された。これにより6番グリッドからスタートして3位でフィニッシュしたベッテルが再びハミルトンを追い抜いて1ポイント差でランキングトップに返り咲いている。
■シルバーストンは得意ではないとアリバベーネ
だが、アリバベーネは今週末のイギリスGPでベッテルがそのリードをキープすることは難しいかもしれないと『Sky Italia(スカイ・イタリア)』に次のように語った。
「理論上、シルバーストンは我々にとってはかなり厳しいものとなりそうだ。空力が非常に重要だし、我々にとっては難しいレースとなるだろう。だから我々は集中を切らしてはならない」
■オーストリアではチームオーダーを出さず
一方、アリバベーネはオーストリアGP決勝ではハミルトンと激しいタイトル争いを繰り広げるベッテルをキミ・ライコネンの前に出すというチームオーダーは考えなかったのかと問われると次のように答えている。
「我々はF1チャンピオンであるキミにそのままレースをさせることにしたんだ。彼らは2人ともレース全体を通じて戦っていたよ」
■グリッド降格ペナルティーに不満を示すベッテル
メルセデスの2台が消えたものの、ベッテルが最終的に3位でとどまったのは予選Q2でカルロス・サインツ(ルノー)をブロックしたとして3グリッド降格ペナルティーを科されて6番グリッドからのスタートとなっていたことが大きいと言えるだろう。
そのことについて聞かれたベッテルは次のように語った。
「ああ、そのことについてなら長くしゃべることもできるよ」
「サインツ本人でさえ、あれは何でもなかったと言っているんだ。文句を言った者たちがいたのは確かだけど、文句を言うのは自動車レースじゃないよ。ドライバーに自分たちで解決させるべきだね」
■ライコネンも自分もベストを尽くしていた
だが、ベッテルはフェラーリがチームオーダーを出さなかったことには何の不満もないと主張している。
ライコネンに2位を譲って欲しいとは思わなかったかと尋ねられたベッテルは次のように答えた。
「いや。どうして?」
「キミはできる限り速く走っていたし、僕もそうしていたんだ。3グリッドを失っていなかったなら僕が勝てていただろうね」
■フェラーリの課題は予選スピード
ベッテルは、オーストリアではメルセデスに最前列を独占されたことが痛かったし、現時点では予選に関してはメルセデスに分があると考えている。
「僕たちのレースでのスピードはよかったよ。だけど予選に関しては現時点では僕たちの方が少し遅いね。だから気を引き締める必要があるよ」
そう語ったベッテルは次戦イギリスGPに向けて次のように付け加えている。
「シルバーストンでは、いつも僕たちはあまり強くない。だからあそこではメルセデスが優勝候補だと思うよ」