2021年以降に導入される新F1エンジンルールの詳細がもうすぐ明らかになるようだ。
これまでに伝えられているところによれば、F1オーナーであるリバティ・メディアとF1統括団体FIA(国際自動車連盟)は、現在のあまりにも複雑なF1エンジンレギュレーションをシンプル化することで、例えばポルシェなどの新メーカーがF1参入しやすくなるようにしていきたいと考えているようだ。
そして、その切り札とも言えるのが、現在のPU(パワーユニット)と呼ばれるF1エンジンにおいて最も複雑なコンポーネントとして知られるMGU-H(熱エネルギー回生システム)の廃止だとされている。
■早ければ6月中に発表も?
F1競技委員長を務めるFIAのチャーリー・ホワイティングは2021年以降のF1エンジンレギュレーションを決定するのは非常に骨の折れる作業だとフランスのモータースポーツ専門誌『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように語っている。
「何度も会議を行い、メーカーたちがどんな詳細部分についても議論を行うという非常に複雑なプロセスがとられているよ」
「だが、もうすぐ2021年のエンジンがどのようなものになるのか、明確なアイデアを持つことができるだろうと私は考えている」
『Auto Hebdo(オト・エブド)』は、6月中にもその新F1エンジンレギュレーションが発表されることになるかもしれないとしている。ということは、今週中にも具体的なレギュレーション変更内容が明らかになる可能性があるということだ。
■契約問題にも影響を及ぼす新エンジンルール
先週、来季からレッドブルがホンダPUを搭載することが明らかとされたが、ホンダとレッドブルおよびトロロッソとの契約は2020年までとなっている。
また、最近のうわさではルイス・ハミルトンがついにメルセデスとの新契約を結んだようだと言われているが、こちらも2020年までの契約となっているようだ。
さらにフェラーリのセバスチャン・ベッテルやレッドブルのマックス・フェルスタッペンの契約も2020年までとなっている。
これは、2021年以降のF1エンジンがどうなるか、それによるF1の勢力図がどう変わるのかが現時点では読みづらいことから、現在のコンコルド協定が有効で大幅なレギュレーション変更が行われない2020年までをひとつの区切りとして考えるドライバーやチームが多いためであることは間違いない。
ハミルトンは新たな契約締結に向けて次のように語っていた。
「分別のあるドライバーなら2020年よりも長い契約にサインはしないよ。現時点ではエンジンレギュレーションがどうなるのか誰も知らないわけだからね」