メルセデスが改良版PU(パワーユニット)投入を延期することが明らかとなった。
数日前、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフは、今週末に行われるF1カナダGP(10日決勝)で、メルセデスはもちろん、メルセデスからPU供給を受けるフォース・インディアとウィリアムズもすべて新スペックのPUを使うことになると発表していた。
だが、その後メルセデスがその新スペックPU投入を1レース遅らせることが明らかとなった。
メルセデスの広報担当者はドイツのメディアに対して次のように語った。
「我々は2基目のPUを今週末に投入したいと思っていた。だが品質に問題があり、投入はフランスGP(第8戦/24日決勝)に持ち越すこととなった」
これはライバルのフェラーリにとってはいいニュースだろう。現在メルセデスのルイス・ハミルトンに14ポイント差をつけられてドライバーズランキング2番手となっているセバスチャン・ベッテルのクルマには新スペックのPUが投入されることになっている。エンジンパワーが大きく物を言うモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットだけに、ハミルトンとのギャップを縮める大きなチャンスとなるかもしれない。
カナダにはルノーとホンダも新スペックPUを投入する予定となっており、そのパフォーマンス次第ではここで2018年シーズンの流れに変化が生じる可能性もありそうだ。
特にホンダにとってはここカナダが2019年にレッドブルと組むことができるかどうかの試金石となると考えられており、トロロッソがジル・ビルヌーブ・サーキットでどういうパフォーマンスを示すかに注目が集まることになりそうだ。
ホンダがカナダで投入する新スペックPUは主にICE(内燃機関)のパフォーマンス向上に焦点が合わせられたもので、40馬力の出力向上が果たされているといううわさもささやかれている。