ルノーF1チームを率いるマネジングディレクターのシリル・アビテブールが将来的にストフェル・バンドーン(マクラーレン)の獲得を視野に入れていることを認めた。
■来季のドライバー体制がいまだ不透明なルノー
今季はニコ・ヒュルケンベルグとカルロス・サインツのコンビで戦っているルノーだが、2019年もサインツを確保できるかどうかはまだ微妙な状態となっている。
2015年にトロロッソでF1デビューを飾ったサインツは現在もレッドブルとの契約下にあり、今季はレンタル移籍という形でルノーのドライバーを務めている状態だ。
今年でレッドブルとの契約が切れるダニエル・リカルドがもし2019年にメルセデスあるいはフェラーリへ移籍するようなことになれば、レッドブルがサインツを呼び戻してレッドブルに昇格させる可能性が高いと考えられている。
ルノーとしてはサインツ残留を望んでいるが、万が一サインツがチームを離れることになった場合に備えてほかのドライバー候補を探しておく必要にかられているのが現状だ。
■来季のドライバー体制がいまだ不透明なルノー
そして、アビテブールは自分たちの視線の先にはバンドーンもいることを認め、バンドーンの母国デンマークの『La Derniere Heure(デルニエール・ウール)』に次のように語った。
「ストフェルがルノーに加わるだろうなどと書かないでくれよ。そんなことは本当にないからね」
「だが、彼は我々が目をつけているドライバーのひとりだ。考えられる選択肢が怪しくなるようであれば、私はバンドーンを考慮に入れるよ」
■現状ではアロンソの引き立て役に回っているバンドーン
下位カテゴリーで素晴らしい実績を残してきたバンドーンは昨年ジェンソン・バトンの後任としてマクラーレンのフルタイムドライバーとなったときには大きな期待が寄せられていた。
だが、ここまでのところはチームメートのフェルナンド・アロンソの陰に隠れてしまっているのが現実だ。今季もここまでの6戦で予選決勝ともにアロンソを上回る成績はまだ一度も残せていない。
一部にはバンドーンがマクラーレンのシートを喪失する可能性もあるのではないかとのうわさすらあるが、バンドーン本人はマクラーレンとは複数年契約を結んでいることを示唆している。
■バンドーンは複雑な状況下にある
そのバンドーンについてアビテブールは次のように続けた。
「彼が置かれている状況はかなり困難なものだと思っている。私もすべてを知っているわけではないが、時には環境の変化によってドライバーが息を吹き返すこともあるものだよ」
「彼はすべての下位カテゴリーで速かったし、才能を見せ、一貫性もあった。そうしたものすべてが消え去るわけなどないんだ」
「だが、隣にフェルナンドがいれば状況は複雑になってくる。とりわけ、近年のマクラーレンの環境を考えればね」
そう語ったアビテブールは次のように締めくくっている。
「しかし、彼はレベルの高いドライバーだし、将来の候補とみなすことができるよ。我々の状況がどう進展するかにもよるがね」