2007年から12年にわたって続いていたレッドブルとルノーの関係が今季限りで終わりを迎える可能性が高くなってきているようだ。
■ホンダPUへのスイッチを検討するレッドブル
2010年から2013年まで4年連続でF1タイトルを獲得したレッドブル・ルノーだが、2014年にPU(パワーユニット)と呼ばれる現行F1エンジンが導入されて以来タイトルに見放されている。
レッドブルはこの間絶えずエンジンパートナーであるルノーに対する批判を繰り返してきており、2019年には現在ジュニアチームのトロロッソが搭載しているホンダPUにスイッチする可能性をたびたび示唆している。
ルノーではレッドブルが2019年も自分たちのPUを搭載したいのかどうか、その決断を急ぐようにレッドブルにうながしている。だが、レッドブルはルノーの求めに応じて早急に回答を行うつもりはないようだ。
■レッドブルは学ぶことを知らないとアビテブール
そして、ルノーのF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブールも、どうやらレッドブルとの決別もやむなしといった考えを抱いているようだ。
「レッドブルがエンジンサプライヤーを批判するのは今に始まったことではないよ」
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』にそう語ったアビテブールは次のように続けた。
「我々は彼らと12年間やってきており、一緒に8つのF1タイトルを獲得してきた。それでもルノーは批判されているんだ」
「彼らは決して学ぼうとしないし、サプライヤーに対しては誠実さや献身的姿勢が必要だということが理解できるようには決してならないだろうね」
2014年まではルノーからワークスエンジンの供給を受けていたレッドブルだったが、アビテブールによれば2015年にルノーが再び自らのチームを立ち上げた際にも、レッドブルに対してそれまで同様にワークス待遇を継続したいと申し入れていたという。だが、アビテブールは実はレッドブル側がその申し出を断っていたのだと明かしている。
■レッドブルが勝てないのはルノーのせいばかりではない
アビテブールはさらに、レッドブルが自分たちが勝てないのはルノーPUのせいだという発言を行っていることについて、それは事実ではないと次のように主張した。
「今季の彼らには勝利する力がある。すでに上海(第3戦中国GP)では勝ったし、バクー(第4戦アゼルバイジャンGP)でも彼らの2人のドライバーが同士打ちしなければそのチャンスがあっただろう」
■レッドブルと分かれてもマクラーレンがいる
アビテブールは、仮にレッドブルと決別することになっても、その代わりにマクラーレンが自分たちにとってはいいパートナーとなるだろうと示唆している。
「レッドブルが空力的に優れているとしても、マクラーレンにはクルマのメカニカル部分に強さがある。それは我々にとって素晴らしいチャンスだし、当面2020年まではそれが我々をどこへ導いてくれるか見ていきたいと思う」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「その後どうなるのか様子を見ることにしよう」
■レッドブル・ホンダ誕生は確実?発表時期は?
まだレッドブルが来季からホンダPUにスイッチすると明言したわけではなく、ルノーPU搭載を継続する可能性も残されているとしている中でアビテブールがこうした発言をしたことは、事実上今季限りでレッドブルとの関係が終わることをほぼ確信しているようだとも受け止められる。
レッドブルでは来季のエンジンサプライヤー決定は早くても6月だとしているが、ひょっとすると6月の最終週に開催されるホームレースのF1オーストリアGP(7月1日決勝)で来季のレッドブル・ホンダ誕生を正式発表するといった計画を立てている可能性もありそうだ。