マクラーレン・グループが今季フォース・インディアのリザーブドライバーを務めるニコラス・ラティフィの父親を新たな株主に迎えたことを明らかにした。
カナダ出身ドライバーである22歳のラティフィはGP2シリーズに参戦していた2016年にルノーとテストドライバー契約を締結。そして今年はF2にフル参戦しながらフォース・インディアのリザーブドライバーを務めている。
だが、スペインの『AS』が最近、ラティフィの父親であるマイケル・ラティフィが設立したナイダラ(Nidala)と呼ばれる会社からマクラーレンに2億3千万ユーロ(約300億円)もの現金が提供されたと報じていた。
マイケル・ラティフィはカナダの食品会社ソフィーナ・フーズのCEO(最高経営責任者)を務める人物だ。
■スポンサー獲得にも苦戦していたマクラーレン
これまでにF1ドライバーズタイトルを12回、F1コンストラクターズタイトルを8回獲得したマクラーレンだが、コンストラクターズタイトルは1998年、ドライバーズタイトルは2008年のルイス・ハミルトン(現メルセデス)を最後に、その後はタイトルからは見放されてしまっている。
2013年限りでタイトルスポンサーを務めていたボーダフォンが去ったことで財政的に厳しい状況を迎えたマクラーレンだったが、特にホンダと手を組んだ2015年からの3年間は優勝や表彰台はおろかポイントが獲得できれば御の字といった低迷状況に陥ったことによりタグ・ホイヤーやモービルといった主要スポンサーも離脱。新規スポンサー獲得も思うようにはいかず、チーム運営にも大きな支障が出てきていると言われていた。
しかし、前戦F1スペインGPが行われたバルセロナでは、マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザック・ブラウンは株主やパートナーはこれまで通りチームを支持してくれており、現時点では資金的な心配はないと次のように主張していた。
「彼らは辛抱強く、このスポーツを理解してくれている。我々に資金的制限はないよ」
■ラティフィが一躍マクラーレンのドライバー候補に?
だがマクラーレンは21日(月)、マイケル・ラティフィがマクラーレン・グループの新たな株主となったと発表。チームが出した声明には具体的な取得株式数などの記載はないものの『AS』が報じた現金注入が株式取得のためのものであったことがこれで明らかとなった。
この結果、当然ながら、ニコラス・ラティフィが来季以降のマクラーレンのドライバー候補として浮かび上がってくるのは間違いなさそうだ。
ラティフィは現時点ではF2でランキング9番手に付けており、スペインGPの翌週にバルセロナで行われたシーズン内テストにも参加していた。