現在F2シリーズに参戦しているロシア人ドライバーのアルテム・マルケロフが、自分としてはブレンドン・ハートレーの後任としてトロロッソに行くつもりはないと語った。
■ウェーレイン獲得のうわさを否定したレッドブル
今季からホンダPUを搭載しているトロロッソだが、2人のドライバーのうちWEC(世界耐久選手権)チャンピオンの称号を引っ提げて昨年のF1第17戦アメリカGPからチームに加わったニュージーランド出身のハートレーは今季ここまであまりいい走りを見せることができていない。
最近のうわさでは、レッドブルでは早くもそのハートレーに替えて昨年ザウバーに所属していたパスカル・ウェーレインをジュニアチームのトロロッソで走らせるべく、メルセデスとの間で交渉を開始したとも言われている。
だが、レッドブルのドライバー育成責任者として知られるヘルムート・マルコは、こうした推測は事実ではないとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「現時点ではそうするつもりはないよ」
■福住仁嶺に注目するトロロッソ
一方、ホンダと手を組んだトロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、昨年GP3でランキング3位となり、今年はF2とスーパーフォーミュラに戦いの場を移した日本人ドライバー福住仁嶺(ふくずみにれい)に注目していることを認めている。
ただし、福住の場合はこれまでの実績ではまだF1に出走するためのスーパーライセンス取得資格が得られないため、現実的には今シーズン中のF1デビューは難しいだろう。福住としてはまずは今季はF2で好成績を残してスーパーライセンスポイントを確実にため込むことが必要だが、今季は6レースを終えた時点でランキング18番手と厳しい位置となっており、今後の巻き返しが期待されることころだ。
そうした中、トロロッソ・ホンダがハートレーの後任候補として目をつけているのではないかとうわさされているのが昨年F2シリーズをランキング2位で終えたロシア人ドライバーのマルケロフだ。マルケロフの場合はすでにスーパーライセンス発給基準ポイントをクリアしており、状況さえ許せば今季のF1デビューも可能な状況となっている。
■レッドブルのビジョンは分からないとマルケロフ
今季もF2に参戦しつつ、ルノーの開発ドライバーも務めている23歳のマルケロフはその可能性について母国ロシアの『Sport FM(スポルトFM)』から質問されると次のように答えた。
「ハートレーの後任となることに同意するかって?」
「もしルノーが認めれば、それは可能だろうね。だけど、僕自身の気持ちとしてはトロロッソに行くつもりはないよ」
「マルコ博士のことは知っているし、彼がどういうふうに若手ドライバーたちのキャリアをダメにしてきたかも知っている。僕にはそんなことは必要ないよ」
そう語ったマルケロフは次のように付け加えた。
「それにクリスチャン・ホーナー(レッドブル/チーム代表)がレッドブルを去るかもしれないとか、レッドブルがF1から撤退したいと思っているというようなうわさだってある。それらは単なるうわさだけど、トロロッソとレッドブルがどういうビジョンを持っているのか、僕には分からないんだ」