ケビン・マグヌッセン(ハース)が、自分は本当にレースで死にたいと思っているわけじゃないと主張した。
■バクーでガスリーと危険な接触を犯したマグヌッセン
デンマーク出身のマグヌッセンは仲間のF1ドライバーたちから“問題児”というレッテルを貼られていることでも分かるように、かなり荒っぽいレースをすることで知られている。
先週末にバクー市街地サーキットで行われたF1アゼルバイジャンGP決勝でもトロロッソのピエール・ガスリーが時速320kmで走行中にマグヌッセンにクルマをぶつけられてウォールに向かってはじきとばされそうになるというシーンも展開されていた。
ガスリーはマグヌッセンについて「これまで一緒にレースをした中で最も危険なドライバーだ」と非難したが、マグヌッセンはこの一件でFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員会から10秒ペナルティーを受けるとともに2ペナルティーポイントが科されている。
■クルマの中で死ぬつもりだと発言していたマグヌッセン
ところで、マグヌッセンはアゼルバイジャンGPの予選や決勝を前にレースにかけた思いを『Reuters(ロイター通信)』に次のように語っていた。
「僕は妥協するのはいやなんだ。僕は全力を尽くしていく。僕はクルマの中で死ぬつもりだよ」
その後ガスリーとの接触の様子をとらえたオンボード映像がF1公式サイトに掲載されると、そのコメントが瞬く間に拡散され、マグヌッセンは本当に命の危険も顧みずにレースをしているようだとの報道も行われていた。
■そのコメントは自分のやる気を表現しただけ
だが、マグヌッセンはそのコメントは前後の文脈を無視して使われてしまっていると次のように語った。
「あのインタビューはバクーでのレース前に行われたものだったんだ。あれはピエールとの事故について言ったものじゃないよ」
「僕はレースカーで死にたいとは思っていないよ。僕は成功を収めるために持てる力すべてを注ぎたいという自分のやる気を表現しただけだよ」
そう語った25歳のマグヌッセンは次のように付け加えた。
「もちろん、僕にとっての成功とは事故を起こすことやペナルティーを受けることじゃなく、可能な限り上位でレースを終えることさ」