F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がフェラーリの2018年型F1マシンの合法性に関する調査に乗り出したと報じられている。
■フェラーリが違法な“エキゾースト・ブロウイング”を使用?
スペインの『Marca(マルカ)』によれば、今季のF1第3戦中国GPが行われた上海インターナショナル・サーキットにおいてフェラーリの2018年型車SF71Hがコーナーを通過する際に「異なる音」を発生しており、その後FIAの技術部門がフェラーリに接触していたという。
「SF71Hがクルマのリアウイングに排気を吹き付ける特別なエンジンマップを使っているのではないかとの疑いがある」と『Marca(マルカ)』は書いている。
一般に“エキゾースト・ブロウイング”と呼ばれる排気を利用した空力処理は現在のルールでは禁止されている。
だが、今年はルノーのF1マシンが明らかにリアウイングの方向に向けた排気管を装着しており、これが禁止されている“エキゾースト・ブロウイング”に該当するのではないかとの疑念もささやかれていた。
結局、ルノーの排気管処理は現在のルールが許容する範囲内であり、FIAとしてはこれに関して特段の対応は行わないとしている。
■FIAの調査担当は元フェラーリエンジニア
しかし、今回疑念の対象となったフェラーリのエンジンマップに関しては、かつてフェラーリで設計責任者を務めていたニコラス・トンバジスが調査を行うことになったという。
ギリシャ出身エンジニアであるトンバジスはベネトン、フェラーリ、マクラーレンなどの空力責任者を務めたのち2006年にフェラーリのチーフデザイナーに就任。しかし、2014年シーズン末に更迭されてフェラーリを離れたという経緯がある。その後2016年にはマノーの空力責任者を務めていたが、今年3月にFIAのシングルシーター部門技術責任者に任命されていた。
トンバジスは今回の疑惑に関して次のように語っている。
「我々としては、コーナーでの排気量を増加させるよう特別な設定が施されたエンジンマップを許容することはできない」
「これが許容されるためには、そうした排気量が実際にパワーユニットのパフォーマンスを増大させるマップと合致していなければならない」
■ベッテルのステアリングに謎のレバーも?
ところが、伝えられるところによれば、フェラーリの2018年型車に関する疑惑はこのエンジンマップだけではないようだ。
『Marca(マルカ)』は、現在ポイントリーダーの位置につけているセバスチャン・ベッテルが乗るフェラーリF1マシンのステアリングにほかには見られない謎のレバーが設けられているのが分かったと報じている。