2018年のフェラーリF1エンジンはメルセデスと完全に肩を並べるところにまできているようだ。
2014年にPU(パワーユニット)と呼ばれる現行F1エンジンが導入されて以来4年間にわたってメルセデスのエンジンが最強の名をほしいままにしてきていた。
だが、今年はそこに大きな変化が生じているようだ。
■ストレートではメルセデスに負けていないとベッテル
「GPS(衛星測位システム)を用いた計測によれば、エンジンのパフォーマンスに関してはフェラーリがメルセデスに追いついている」
そう報じたドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は次のように付け加えている。
「メルセデスは(エンジン1基あたりの)走行距離を5,000から8,000kmに伸ばしてきた。だが、フェラーリは冬の間にさらなるパワーを見いだした」
現在のエンジンパワーに関してはセバスチャン・ベッテルも次のように語っている。
「ストレートでは、僕たちはメルセデスに対してタイムを失ってはいないよ」
■パワー接近の背景にオイル燃焼禁止?
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、今年のメルセデスPUは2016年型エンジンに採用していたオイル仕様を再び使っているという。これは昨年FIA(F1統括団体である国際自動車連盟)がオイルをガソリンと一緒に燃焼させることを禁止し、オイル消費量を厳しくチェックするようにしたためだと考えられている。
これに関して、メルセデスを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は次のように語っている。
「計測は正確とは言えないんだ。だから、もし限界ギリギリのところにいれば、時にはそれを超えるリスクも負うものだよ」
しかし、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、フェラーリではオイル消費量制限ルールに関して「最大限のリスク」を負う戦略をとっていると報じている。