レッドブルを率いるクリスチャン・ホーナー(チーム代表)が、ダニエル・リカルドは今後もレッドブルにとどまるべきだと語った。
■メルセデスもしくはフェラーリ移籍がうわさされるリカルド
先週末に行われた今季のF1第3戦中国GPで見事な大逆転勝利をおさめた28歳のリカルドだが、現在のレッドブルとの契約は今季までとなっており、2019年シーズンに向けてメルセデスもしくはフェラーリへ移籍するチャンスを狙っているものと考えられている。
最近、リカルドはすでにフェラーリとの間で事前合意に達しているようだとの報道も行われていたが、これに関してはリカルド本人が否定するコメントを行っている。さらにリカルドは、レッドブルとの間でも2019年以降に向けての具体的な交渉はまだ始まっていないと語っていた。
■リカルドはフェラーリへ行くべきだとロズベルグ
2016年のF1チャンピオンである元メルセデスのニコ・ロズベルグは、リカルドはフェラーリと交渉するべきだと考えている。
「僕はレースで彼が後ろにいるといやだったことを覚えているよ」
上海で母国ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったロズベルグは次のように付け加えている。
「もし僕が彼なら、フェラーリへ行くだろうね。現時点ではフェラーリのクルマが最高だし、彼は自分がセバスチャン(ベッテル)に勝てるということは分かっているからね」
■フェラーリの戦略は理解できないとホーナー
だが、ホーナーはベッテルがいるフェラーリへ行くことが必ずしもリカルドのプラスにはならないのではないかとの懸念を抱いている。
というのも、今季はここまでキミ・ライコネンがかなりいい調子をいるにもかかわらず、フェラーリがベッテル優先策をとっているように見えるからだ。
ホーナーは、中国GP決勝でフェラーリがとった奇妙とも見える戦略についてフィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』紙に次のように述べている。
「キミの競争力を考えれば、あの戦略は本当に理解に苦しむよ」
■リカルドはよそへ行く必要はないとホーナー
ホーナーはそうしたことも考えれば、リカルドにとってはレッドブル残留が最善の策となるはずだと次のように続けた。
「今のところ、ダニエルは現在いるところ(レッドブル)で満足していると思う。我々が今回のレースと同じようなクルマを彼に提供し続けることができるとしたら、彼にはよそへ行く必要はなくなるはずだ」
「彼は円熟したプロになったし、私は実際のところ彼はすでに2年前に絶頂期を迎えていたと思っている」
「まだ非常に若く、経験を積み上げる段階にいるマックス(フェルスタッペン)との比較においては、ダニエルはキャリアにおいて別の段階にいると私は思っているよ」
■リカルドは非の打ちどころがないとマルコ
さらに、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコもリカルドを高く評価している。
中国GP決勝ではフェルスタッペンがベッテルとクラッシュするというミスを犯してしまったが、その一方でリカルドは見事なオーバーテイクをいくつか見せていた。
「ダニエルには非の打ちどころがなかった」
母国オーストリアのテレビ局『ORF』にそう語ったマルコは次のように付け加えている。
「オーバーテイクすることができるのは誰か、できないのは誰か、ということはご覧の通りだ。マックスはあまりにもせっかち過ぎたよ」