2018年F1第3戦中国GPが4月15日(日)、上海インターナショナル・サーキット(1周/5.451km)で3日目を迎え、現地時間14時10分(日本時間15時10分)から行われた決勝でレッドブルのダニエル・リカルドが優勝した。リカルドの勝利は今季初、通算6勝目。
●【画像:レース結果】2018年F1第3戦中国GPのタイム差、周回数、ピット回数
■スタートでボッタスがライコネンの前に
レースが開始されると、ポールポジションからスタートしたフェラーリのセバスチャン・ベッテルが首位を守るものの、2番グリッドからスタートしたチームメートのキミ・ライコネンはバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に追い抜かれて一気に4番手に落ちてしまう。
後方では15番グリッドからスタートしたブレンドン・ハートレーが18番手、17番グリッドスタートのピエール・ガスリーは19番手と、トロロッソ・ホンダ勢が順位を下げてしまった。
レースが17周目に入ったところで3番手を走行していたフェルスタッペンがピットに入り、ウルトラソフトからミディアムに交換。6番手を走行していたリカルドもこれに続き、同じくミディアムに交換する。19周目にはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、そして20周目にはボッタスがピットに戻り、同様にミディアムにはきかえた。
■ボッタスがピット戦略でベッテルも攻略
20周目にトップを走行していたベッテルもピットに入り、やはりミディアムに交換。ところがベッテルはこの間にボッタスに逆転を許して2番手に下がってしまう。
暫定トップに立ったライコネンはピットインを遅らせ、そのまま周回を続ける作戦に出る。だが周回数が25周を数える時点ではボッタスとベッテルが背後に迫る展開となる。
そして27周目にボッタスがライコネンをオーバーテイクしてトップに立つと、ライコネンはベッテルに順位を譲って3番手に下がった。ライコネンは28周目にピットに入ってタイヤ交換を行い、リカルドの後方6番手でコース復帰する。
■セーフティカー導入時にレッドブルがタイヤ交換
レースが30周目を迎えたとき、後方を走行していたトロロッソ・ホンダの2台がヘアピンで同士打ちのクラッシュを演じてしまう。このクラッシュで両マシンのパーツが路面に散らばったことでセーフティカーが導入される。この事故の責任があると判定されたガスリーにはその後10秒ペナルティーが科された。
このタイミングでレッドブルのフェルスタッペンとリカルドが同時にピットインし、2台とも新品のソフトタイヤに交換する作戦に出る。
36周目にセーフティカーが戻ってレースが再開。ボッタスはトップの位置を守るが、リカルドはライコネンに追い抜きを許してしまう。この時点ではボッタス、ベッテル、ハミルトン、フェルスタッペン、ライコネン、リカルドというトップ6の並びとなる。
■レッドブルがペースアップ
だが、新しいソフトタイヤに熱が入ってくると38周目にリカルドが再びライコネンをオーバーテイク。フェルスタッペンもタイヤのアドバンテージを生かしてハミルトンの背後に迫る。39周目にはフェルスタッペンがハミルトンの横に並びかけるがここでふらついたハミルトンに押し出されるようにしてコースオフ。フェルスタッペンはリカルドの後ろに順位を下げてしまった。
しかし、41周目にはリカルドがハミルトンを一気に追い抜き3番手に浮上。42周目にはフェルスタッペンもハミルトンを攻略して4番手に上がる。勢いにのったリカルドは43周目にはベッテルもパスして2番手にまで順位を上げた。
■ベッテルとフェルスタッペンもクラッシュ
44周目に入ったところでベッテルを追い抜こうとしたフェルスタッペンがヘアピンでベッテルとクラッシュ。2台ともコース上でスピンしてしまう。これでフェルスタッペンはハミルトンに先行を許すが、ベッテルは一気に7番手まで順位を落としてしまった。フェルスタッペンにはこのクラッシュの原因を作ったとして10秒加算ペナルティーが科された。
45周目にはボッタスに追いついたリカルドが一気にオーバーテイクを成功させ、ここでトップに立つ。
48周目にはフェルスタッペンが再びハミルトンを追い抜くと、順位争いのライバルとなるベッテルとのギャップを開きにかかる。一方のベッテルはクラッシュでマシンにダメージを負ったか、ペースがまったく上がらない。
■6番グリッドスタートのリカルドが大逆転優勝
終盤、ライコネンがボッタスの背後に迫るところまで追い上げるが、結局追い抜くには至らなかった。一方、ベッテルは55周目にフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)にもコース上で追い抜きを許してしまい、8番手に順位を落としてしまう。
そして迎えたファイナルラップ、リカルドが最終的に2位ボッタスに9秒近いギャップを築いて先頭でチェッカーフラッグを受け、3戦目にして今季初優勝を飾った。
フリー走行3回目ではエンジントラブルを抱え、パワーユニットコンポーネントをすべて交換して予選に臨むことを強いられたリカルドだったが、6番グリッドスタートから大逆転で貴重な勝利をもぎとることに成功したと言えるだろう。
■決勝トップ10ドライバー(暫定)
優勝/ダニエル・リカルド(レッドブル)
2位/バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)
3位/キミ・ライコネン(フェラーリ)
4位/ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
5位/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
6位/ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
7位/フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)
8位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
9位/カルロス・サインツ(ルノー)
10位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
前戦バーレーンGPでは予選6番手、決勝4位と見事な活躍を見せたトロロッソ・ホンダだが、ここ上海ではペースが上がらず、決勝では同士打ちを演じるというアクシデントもありピエール・ガスリーが18位、ブレンドン・ハートレーはリタイアでレースを終えている。
2018年F1第4戦アゼルバイジャンGPは27日(金)の現地時間13時(日本時間18時)に開幕。決勝は29日(日)の現地時間16時10分(日本時間21時10分)にスタートする。