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現在最下位のウィリアムズ、今後に向けた課題は?

2018年04月12日(木)5:15 am

イギリスの名門プライベートF1チームであるウィリアムズだが、2018年シーズンは悪夢のようなスタートとなっている。

これまでにコンストラクターズタイトルを9回、ドライバーズタイトルを7回獲得しているウィリアムズだが、ジャック・ビルヌーブを擁してダブルタイトルを獲得した1997年を最後にタイトルには見放されている。

現行PU(パワーユニット)が導入された2014年と翌年2015年にはメルセデスPUのパワーを借りてコンストラクターズランキング3位の成績を残したものの、2016年と2017年はトップ3チームに加えてフォース・インディアにも先行を許しランキング5位に終わってしまった。

この背景には慢性的資金不足による開発力不足があると指摘されており、ウィリアムズとしても資金をチームに持ち込むことができるドライバーを優先的に登用するしかない状況にあると見られている。

■2018年はいまだポイントに手が届かず

世界的大富豪を父親に持つランス・ストロールを2017年にデビューさせたウィリアムズは、今季は引退したフェリペ・マッサの後任としてロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンを登用。つまり、F1キャリア2年目のドライバーとルーキードライバーで戦うことになっている。

この若いドライバーラインアップではとても好成績は期待できないだろうとの見方が多かったが、今季の開幕2レースでより明確になったのは今季のウィリアムズF1マシンFW41がドライバーたち以上に非力だということだ。現に2レースを終えて1ポイントも獲得できていないのはウィリアムズだけとなっており、当然現時点でのコンストラクターズランキングは最下位だ。

■ウィリアムズのマシンが一番遅い

昨年の第8戦アゼルバイジャンGPでは3位表彰台にも上った経験を持つ19歳のストロールは先週末のバーレーンGP決勝を16番手でゴールした後次のように語った。

「自分のペースには満足できていたよ。もちろんもっといい結果を残したかったけれどね」

完走17台だったバーレーンGP決勝でストロールより下位でゴールしたのはチームメートのシロトキンだった。つまり、コース上ではウィリアムズの2台がもっとも遅かったのだ。

レース後にセルジオ・ペレス(フォース・インディア)とブレンドン・ハートレー(トロロッソ)が30秒加算ペナルティーを受けたことから公式記録ではストロールが14位、シロトキンが15位とそれぞれ順位を上げたとはいえ、今季のウィリアムズマシンが非力であることは疑いようもない。

「現在は僕たちのクルマが一番遅いよ。僕はそのクルマの力を最大限に引き出せたという自信がある。今のような状況では、それが僕にできる最大のことだからね」

母国カナダの『Le Journal de Montreal(ジュルナル・ド・モントレアル)』にそう語ったストロールは次のように付け加えた。

「チームメートに勝てたことがせめてもの慰めだよ」

■今はライバルと争える力はないとパディ・ロウ

2017年3月にウィリアムズの最高技術責任者に就任したパディ・ロウは2016年まで最強メルセデスの技術責任者を務めていた人物だ。つまりウィリアムズの2018年型車はロウが中心となって製造されたものだと言える。

そのロウはストロールの父親であり、チームに多額の資金提供を行っているローレンス・ストロールとかなり緊張した面持ちで話し合いを行っていたところが目撃されていた。

ロウは今年のウィリアムズF1カーに問題があるのは確かだと認め、次のように語った。

「我々にはほかのチームと戦うだけのペースはなく、ただ自分たち同士で競い合うことしかできなかった」

「時間はそれほどないにせよ、調査を行って解決策を見つけることが必要だ」

■課題はタイヤ対策だとミカ・サロ

元F1ドライバーであり、現在はロシアのドライバー育成プログラムとして知られるSMPレーシングやその所属メンバーであるシロトキンのマネジャー的存在として活動しているミカ・サロは次のように語っている。

「空力の数値などを見れば、理論的にはクルマはかなりいいはずなんだ。昨年のものよりかなりよくなっているよ」

母国フィンランドのテレビ局『C More(セイ・モレ)』にそう語ったサロは、現在のウィリアムズF1マシンが抱えている大きな問題は軟らかいコンパウンドのタイヤをうまく扱えないことだと指摘し、次のように続けた。

「チームには何かしらの改善方法を見つける必要がある」

「幸い、彼らにはパディ・ロウやロブ・スメドレイといった優れたエンジニアがいる」

かつてフェラーリやトヨタで活躍した経験を持つサロはそう語ると次のように付け加えた。

「もし彼らが解決策を見いだせなければ、ほかの誰であってもできないよ」

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