ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)は、先週末に行われたF1バーレーンGP決勝で見せた走りがいつかF1トップチームのシートを得ることに向けてプラスに働くのは確かだろうと考えている。
●【写真:正式レース結果(変動後)】F1第2戦バーレーンGPのタイム差、周回数、ピット回数
レッドブルのF1ドライバー育成プログラムメンバーであるガスリーは、昨シーズン終盤にトロロッソでF1デビューを飾り、今季は新生トロロッソ・ホンダのフルタイムドライバーに昇格していた。
開幕戦オーストラリアGPでは自らのミスもあって予選では最下位に沈み、決勝もホンダPUのトラブルによってリタイアとなっていたガスリー。だが、先週末に行われたバーレーンでの第2戦では予選で6番手の位置を確保すると決勝でも2つ順位を上げて4位でフィニッシュするというサプライズを演じてみせた。
■ガスリーのレッドブル昇格の夢が一歩前進
これまでも22歳のガスリーに関しては、今年で現在の契約が切れるダニエル・リカルドがレッドブルを離脱することになった場合にはその後任候補のひとりになるだろうと言われていた。
今回のバーレーンでの活躍でレッドブル昇格の夢に一歩近づいたのではないかと質問されたガスリーは次のように答えた。
「今はそのことは考えたくないんだ。だけど、もう少しあとですべてを分析してみるつもりだよ」
子供のころからF1ドライバーになることを夢見てきたガスリーだが、ここまでの道のりは必ずしも順風満帆なものではなかった。
2016年にはGP2シリーズでタイトルをとったガスリーだったが、当時レッドブルのモータースポーツ責任者であるヘルムート・マルコはまだF1に昇格させるには早いとして2017年には日本のスーパーフォーミュラへ参戦させていた。
「ここまで来る道は楽なものじゃなかったよ。だけど僕はこれまで参戦したジュニアシリーズでは常にトップ3に入っていたんだ」
そう語ったフランス出身のガスリーは次のように続けた。
■上位グリッドからのスタートが貴重な経験に
「今ではすごく経験が豊かで才能のあるドライバーたちと一緒にやっているし、僕はミスを犯すわけにはいかないんだ」
「ダニエル・リカルド(レッドブル)とバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)の次のグリッドにつくことができたのはすごく貴重な経験だったよ。彼らは長くF1をやっているけれど、僕にとっては7回目のグランプリだった。僕にはまだ学ぶべきことがたくさんあるけれど、バーレーンはその助けになったよ」
■ボスの笑顔がうれしかった
バーレーンでのレース後にマルコは何と言ったのかと尋ねられたガスリーは次のように答えた。
「彼は僕が素晴らしいレースをしたと言ったよ。それは僕もすでに分かっていたけどね!」
「ヘルムートの顔にほほ笑みが浮かんでいたのは本当にうれしかったよ」
■ホンダは素晴らしい進歩を遂げた
だが、ガスリーが当面の間トロロッソとホンダにとって貴重な存在となるのは確かだ。特に、過去3年にわたってマクラーレンと悪夢のような時期を過ごしてきたホンダにとっては昨年スーパーフォーミュラでホンダエンジンを搭載したマシンでランキング2位となったガスリーに期待するところは大きいだろう。
ガスリーはホンダについて次のように語っている。
「ホンダはものすごく大きな進歩を見せたよ。まだほかのメーカーと比較するのは難しいけれどね」
「具体的な数字は言わないけれど、彼らが大きな前進を遂げたのは間違いないよ」
■2戦目での4位は想定外だったとトスト
トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストもバーレーンで得た期待以上の結果に満足しているようだ。
日本に対する理解が深いことでも知られる62歳のトストは次のように語った。
「我々は2戦目で4位になれるとは思っていなかったよ。だが、ホンダは常に我々に言っていたんだ。前半の10レース以内にいい結果を得られると期待していいよとね」