バルテリ・ボッタス(メルセデス)はスポンサーの後押しによって2019年以降もF1トップチームのシートを確保できるかもしれない。
2016年にF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグが突然のF1引退を表明したことで、急きょそれまで在籍していたウィリアムズから引き抜かれてメルセデスのシートに座ることになったボッタス。だが、2017年シーズンは3勝をあげる活躍を見せたものの、最強のチームメートであるルイス・ハミルトンには及ばず、ドライバーズランキングもハミルトン、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に次ぐ3番手で終えている。
1年の延長契約を結んで今季もメルセデスで走ることになったボッタスだが、課題はハミルトンとの差をできる限り縮め、もしくはハミルトンの上に立つような活躍を見せることだ。さもなければ今季限りでメルセデスのシートを失う可能性が大きくなってしまうだろう。
■開幕戦予選でクラッシュを演じたボッタス
ところが、ボッタスは先週末に行われた2018年F1開幕戦オーストラリアGPの予選Q3でクラッシュするというミスを犯してしまい、それによってダメージを受けたギアボックスを交換したことにより決勝は15番グリッドからのスタートとなってしまった。
結局、ボッタスは決勝を8位で終えることとなったが、ポールポジションを獲得していたハミルトンもピット戦略でベッテルに首位の座を奪われてしまった。フェラーリではキミ・ライコネンも3位表彰台を獲得しており、開幕戦を終えた時点ではフェラーリがメルセデスを18ポイントリードしている。
2位で開幕戦を終えたハミルトンは、「昨年から2台とも上位となることが重要になってきている。とりわけ、レッドブルとフェラーリが今ではかなり強いだけにね」と語り、暗にミスで上位入賞を逃したボッタスをやり玉にあげている。
■ボッタスは来季もメルセデスに残留できるとスポンサー
ボッタス自身は来週末に行われる第2戦バーレーンGPで必ず反撃するとの決意を表明。来季もトップチームであるメルセデスのシートを確保するためにはもうミスは許されない状況だ。
だが、スポンサーとしてボッタスを支援するウィフリ社のオーナー、アンティ・アルニオ-ウィフリも母国フィンランドの『Urheilulehti(ウルヘイルレティ)』に次のように語った。
「私はバルテリがメルセデスで続けることになるだろうと考えている。だが、F1では何が起こるか分からないがね」
■メルセデスがだめならフェラーリという選択肢も
だが、メルセデスが今年ボッタスと1年契約しか結ばなかったのは、2019年には今年でレッドブルとの契約が切れるダニエル・リカルド、あるいはメルセデス所属の若手ドライバーであるエステバン・オコン(現在はフォース・インディア)をハミルトンのチームメートに据えることを検討しているためだとのうわさもある。
そのうわさに関して質問されたアルニオ-ウィフリは、その場合ボッタスがフェラーリに移籍する可能性もあると示唆し、次のように続けた。
「ライコネンはそろそろ終わりを迎えることになると思う。昨年、彼のドライビングに一貫性が失われ始めたのを目にしたしね。彼の関心は薄れ始めているんじゃないかな」
確かに、数年前にはフェラーリがライコネンの後任候補としてボッタス獲得を視野に入れているとうわさされたこともあった。
「バルテリのフェラーリ移籍はまだかなり可能性があると言えるよ」
そう語ったアルニオ-ウィフリは次のように付け加えた。
「いずれにせよ、F1ドライバーなら誰でもいつかはフェラーリで走りたいと夢見るものだからね」