世界的エナジー飲料メーカーとして知られるレッドブルの最高経営責任者であり、レッドブル・レーシングとトロロッソという2つのF1チームのオーナーでもあるディートリッヒ・マテシッツが、もしダニエル・リカルドが来季ほかのチームへ移籍することを望むのであればそれを認めるつもりだと語った。
日ごろあまり表舞台に姿を現すことのないマテシッツだが、2018年のF1シーズン開幕を前に珍しく『Salzburger Nachrichten(ザルツブルガー・ナッハリヒテン)』など、母国オーストリアのメディアによるインタビューに答えている。
■ルノーPUがメルセデスと0.5秒以内なら勝負できる
そのマテシッツはまず、今季トロロッソはホンダPUにスイッチしてよかったと語り、ホンダはすでに「ルノーと互角」のレベルに到達していると主張した。
マテシッツはさらに、レッドブルの2018年型車 RB14は「ものすごくいい」と語り、次のように続けている。
「我々としては昨年よりもトップとの差が縮まったと思っている。シャシーとエンジンの両方がね」
「メルセデスが冬の間にエンジンにどれほど手を加えたのかは我々にはあまり分からない。だが、もし我々(のPU)がコンマ5秒以内であれば、我々は自分たちのドライバーとシャシーによって追いつくことができる」
■レッドブル・ホンダ誕生はまだ決まったわけではない
ちまたのうわさでは、レッドブルは2019年からルノーに替えてホンダPUを搭載する可能性がかなり高くなってきていると言われている。
だが、マテシッツはそれはまだ決定したわけではないと次のように主張した。
「今シーズンがどういう展開となるか様子を見て行かなくてはならない。レースではよさそうだが、まだ予選モードにしたときの自分たちのスピードも分からないしね」
■リカルドが去ってもその埋め合わせはできる
一方、2014年からレッドブルのドライバーを務め、これまでに通算5勝をあげた実績を持つダニエル・リカルドの契約は今季までとなっている。
リカルドは来季以降もチームにとどまりそうかと尋ねられたマテシッツは次のように答えた。
「それは彼(リカルド)に聞くべきだろうね」
「長く協力関係が続けば、誰しも新たな挑戦を求めようとするものだ。とりわけ、トップチームからのオファーがあればね」
「彼が望むのであれば、我々はひきとめるつもりはない。だが、もし彼がとどまってくれれば我々にとっては喜ばしいことだ」
「そして、もし彼が去ることになっても、我々にはトロロッソに優秀な連中がいるよ」
■グリッドガールの件は騒ぎ過ぎ
最後に、F1新オーナーのリバティ・メディアが今年からグリッドガールを廃止したことについて尋ねられたマテシッツは、「F1にはグリッドガールのことで言い合いをするよりもっと重要なことがあるはずだよ」と答え、次のように付け加えた。
「我々はシュピールベルク(F1オーストリアGP/7月1日決勝)ではレーダーホーゼン(チロル地方の男性用伝統衣装である革製半ズボン)を身に着けたグリッドボーイを登場させようかと考えているよ。すべてのことにあまりにも真剣に反応する必要などないよ」