ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウが、セルゲイ・シロトキンよりもロバート・クビサをフルタイムドライバーに据えるべきだったのではないかという意見に対して反論を行った。
■リザーブドライバーとしてF1復帰したクビサ
2006年にBMWザウバーでF1デビューを飾り、ポーランド人初のF1ドライバーとなったクビサだが、ロータス・ルノー在籍時の2011年シーズン開幕前に参戦したラリーで大クラッシュしF1の表舞台からその姿を消していた。
だが、いまだに右腕に事故の後遺症を抱えているものの、クビサは今季7年のブランクをへてF1の世界に戻ってきた。しかし、それはフルタイムドライバーとしてではなく、ウィリアムズのリザーブ兼開発担当ドライバーとしてだ。
■シーズン前テストではフルタイムドライバーより速かったクビサ
バルセロナで合計8日間にわたって開催された今季のF1シーズン前テストにはランス・ストロールと今季F1デビューを飾ることになったロシア人ドライバーのシロトキンとともにクビサにも出走する機会が与えられていた。
2月下旬にスタートしたシーズン前テスト3日目が雪のために走行不能だったことから、クビサは本来予定されていた8日目のセッションを自主的にフルタイムドライバーに譲っていた。だが、クビサがテストに参加した日に関しては、彼の方がストロールやシロトキンよりも速くタイムを刻むことができていた。
こうしたことから、クビサではなくシロトキンにシートを与えることを決定したウィリアムズの判断は間違いだったのではないかとの批判的な声もささやかれるようになっている。
実際のところ、一時はクビサのシート獲得がほぼ確実になったと伝えられていたものの、最後にシロトキンが逆転したという経緯があった。これはチームに持ち込めるスポンサー資金の額が最終決定要素になったようだとも言われている。
■シロトキンをストロールのチームメートに選んだ理由は?
メディアから、本当はシロトキンではなくクビサを2018年のドライバーとして登用すべきだったのではないかと質問されたロウは次のように答えた。
「そういう質問には答えたくないよ。まったく答える価値のない質問だと思っている」
そのロウは、まだ19歳という若いストロールを今後成長させていくためには、昨年限りでF1を引退したフェリペ・マッサのようなベテランドライバーよりも22歳のルーキー(シロトキン)と組ませる方がより効果的だという考えを持っているようだ。
「ランスはまだすごく若いが、すでに12か月前とはまったく異なるレベルに到達している」
そう語ったロウは、今年はシロトキンと組ませることでストロールを昨年とは「異なる状況」に置くことができると次のように付け加えた。
「彼(ストロール)にとって“僕の仕事はフェリペ(マッサ)と同じような強さを発揮することだ”と考えることはほとんど不可能に近かったからね」