F1を統括するFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員長を務めるチャーリー・ホワイティングが、現時点ではルノーF1マシンの排気管レイアウトを違法とみなすことはできないと語った。
■ルノーの排気管レイアウトは禁止に該当?
今季、3強チームに次ぐ位置を狙えるほどに改善が進んでいるようだと言われているルノーの2018年型車R.S.18だが、リアウイングに向けて排出ガスが吹き出すよう明らかに上向きにレイアウトされた排気パイプに関してその合法性に疑問を投げかける声もある。
数年前にディフューザーに意図的に排出ガスを導入して空力的アドバンテージを得る「エキゾースト・ブロウイング」が禁止されたという経緯があるが、今年のルノーがとった対策はディフューザーがリアウイングに変わっただけで、排出ガスを空力特性改善のために利用するという意味ではそれと同じではないかと考えられるためだ。
■現時点では違法とはみなせないとFIA
だが、ホワイティングはこの件に関してイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に次のように語った。
「私は、彼ら(ルノー)がそれによって得られる利益は全くないと考えている」
「彼らが通常とは違うモードでエンジンを操作しないのであれば、問題はないよ」
「我々は、ウイングは排出ガスによる効果がこれまでも常に存在していたことを受け入れる必要がある」
「2013年にはこれによる効果が非常に大きかった。だから我々が2014年にやったのは、排出ガスによる影響を小さくすることだったんだ」
■今シーズンを通じて観察は続ける
そう語ったホワイティングだが、今後もこの問題に関しては観察を継続していき、もし必要と判断されれば今回のルノーがとったレイアウトを禁止する可能性もあると示唆している。
「1年間を通じて、再び何らかの対策が必要かどうかを見極めていくことになるだろう」とホワイティングは付け加えた。