F1モータースポーツ責任者のロス・ブラウンが、フェラーリをF1から撤退させないための“解決策”を講じるつもりだと語った。
かつてフェラーリがミハエル・シューマッハを擁して黄金期を築いた時期に同チームの技術責任者を務めていたことで知られるブラウンは、昨年F1の新オーナーとなったリバティ・メディアの指名を受けてF1を技術と競技の両面から改善する役目を担っている。
だが、そのブラウンが中心となってまとめた2021年以降のF1エンジンルールに関してはフェラーリを始め、メルセデスやルノーといった現在のF1エンジンメーカーが反対の意思表示をしている。
さらにリバティ・メディアがこれまでのF1の収益分配システムを見直し、チーム予算に上限値を設けることも検討していることもあってフェラーリはそうした修正案が見直されない限り2020年でF1から撤退するとの脅しをかけている。
■フェラーリはF1を象徴するチーム
そうした中、ブラウンはこのほどドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、フェラーリはF1にとって「非常に重要なチーム」であると語り、次のように続けた。
「私は彼ら(フェラーリ)と一緒に10年間仕事をしたし、私の心の中にはまだ彼らがいる」
「フェラーリは象徴であり、全員にとって意味のある解決策を見つけたいと願っている。このスポーツを素晴らしいものにすることは全員にとって素晴らしいことであり、我々もフェラーリが去ることを望んではいない」
■公平なF1にすることも重要
しかし、ブラウンは収益分配などの点に関しては見直すべき点もあると次のように続けた。
「このスポーツは、フェラーリを含むすべての参加者たちにとって公平なものであるべきだ」
「確かに、フェラーリには拒否権が認められているのは事実だ。だが、私が知る限り、彼らがそれを行使したことは一度もない。恐らく、彼らはそれを振りかざしただけだと思う」
■F1改善のヒントはMotoGPにあり?
ブラウンはさらにスポーツとしてのF1を改善するためのヒントは世界最高峰二輪選手権であるMotoGPにあるのではないかと考えているようだ。
「MotoGPのバイクは(F1よりも)30秒遅いんだ。だが、それなのにものすごく速く見える」
そう語ったブラウンは次のように付け加えた。
「重要なのは、もっと見た目がよくて、お互いに競い合うことができるクルマにすることだ。雨が降ったときに15秒遅いからといって文句を言う者は誰もいないだろう?」