ルノーのF1プロジェクト責任者が、もしレッドブルが2019年もルノーPU(パワーユニット)を使用したいのであれば5月までに決めてもらう必要があると語った。
■2019年にはレッドブル・ホンダが誕生?
かつて2010年から2013年までF1タイトル4連覇を達成したレッドブルとルノーのコンビだが、2014年からF1が導入した現行PUの開発にルノーが乗り遅れたことから両者の関係が悪化。
2015年には両者の決別がほぼ決定的なところにまで行ったものの、メルセデスやフェラーリがレッドブルへのPU供給を辞退したことから、結局2016年もルノーからPUを購入し、それにタグホイヤーという名称を付けて使用しているという現実がある。
昨年にはルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブールが、レッドブルへPUを供給するのは2018年シーズンが最後になるだろうとほのめかすなど、両者が今季限りで決別する可能性はかなり高いと考えられている。
そして、レッドブルが期待しているのは今年からジュニアチームのトロロッソが搭載するホンダPUの進歩だ。ホンダPUがライバルたちと戦えるレベルにまで改善されれば、2019年にはレッドブルがホンダのワークスPUを使うことになる可能性も高い。
■PUの進歩に自信を見せるルノー
実際のところ、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、昨年重大な信頼性問題を抱えていたルノーPUが、少なくとも今シーズン序盤は信頼性向上を優先するのは間違いなく、それでメルセデスAMGやフェラーリと戦えるとは思えないとルノーに対する不満を示唆している。
だが、ルノーのアビテブールは、年間に使用できる主要PUコンポーネントが3台までに制限される今年は、まずは信頼性を確保しようと動くのは当然のことだと次のように語った。
「こういう状況にあっては、何を優先すべきなのかは明らかだよ」
「信頼性が高くなれば効率性を上げるための選択肢も増えることを理解することが重要なんだ。信頼性が増せば、パワーだってもっと多く使えるようになるからね」
「(2018年の)状況は昨シーズン最後のアブダビと似たようなものになるだろう。あのときは我々もエンジンの潜在能力を最大限に利用することができた」
■ホンダとルノーの比較検討を行うことになるレッドブル
いずれにせよ、2019年シーズンに向けてレッドブルに残された選択肢はルノーPUを使い続けるのか、あるいはホンダPUに変えるのか、その2つしか残されていない。
26日(月)からバルセロナでスタートしたシーズン前テストでは、2日目のセッションを終えた時点でホンダPUにもルノーPUにも心配されたようなトラブルは発生せず、どちらも安定した信頼性と一定のパフォーマンスを示しているようだ。
今後、来週に行われるシーズン前テスト2回目、そして3月下旬にスタートするシーズン序盤においてホンダやルノーがどういうパフォーマンスを発揮するのか、レッドブルとしても真剣に分析を行っていくことになるのは間違いない。
■来年もルノーPUを使いたければ5月までに決断を
だが、アビテブールは次のように続けた。
「我々も永遠に待つわけにはいかないんだ」
「私はクリスチャン(ホーナー)が自分には選択肢があると言ったことは知っているし、彼はまったく正しいよ。彼同様、私も契約書は読んでいるしよく知っているからね」
「だが、我々にはF1を手助けする義務がある。レッドブルではなくね。そして、我々には自分たちの仕事を計画する必要があることも明らかだ」
「最終期限に関しては競技ルールに示されている。私が知る限り、翌年にチームがどのエンジンサプライヤーと組むのかは5月末までに明確にしなくてはならない」
そう語ったアビテブールは次のように付け加えた。
「私に言えるのは、それが我々にとっての最終期限だということだ。そこまでに、我々は今後も協力関係を継続していくことになるのかどうかを知りたいと思っている」