メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフが、今年からF1カーに装着することが義務付けられたコックピット保護装置「ヘイロー」に対して過激とも言えるコメントを行った。
■今年から義務化されたコックピット保護装置
以前からフォーミュラカーのオープンコックピットは危険であり、何らかの対策が必要だという声はあった。だが、2014年のF1日本GP決勝でマルシャのジュール・ビアンキがコース脇の作業車に潜り込むようにクラッシュし、最終的に死に至る大けがを負うという大事故が発生。
さらにアメリカのインディカーでもレース中にほかのクルマの破片が頭部を直撃したことによりドライバーが死亡する事故が起きたこともあり、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)はドライバーの頭部をクラッシュから守るための装置開発を急ぎ、今年からヘイローと呼ばれる装置の導入が義務化されている。
■ヘイローを切り落としたいとヴォルフ
だが、22日(木)にそのヘイローが装着された2018年型F1マシン「W09 EQ Power+」を公開したメルセデスAMGのヴォルフは次のように語った。
「チェーンソーをくれれば、それ(ヘイロー)を切り落とすよ」
「ドライバーを守るのは正しいことだ。だが、これが最終的な解決策ではありえない」
「もっと見た目がよいものを考え出す必要があるね。それにあれはクルマの上に大きなウエイトを乗せることになるから重心も台無しになってしまうんだ」
「我々は、これはF1カーなのだということを忘れてはならないよ」
■グリッドガール廃止は理解できない
しかし、ヴォルフの2018年シーズンに向けた不満はヘイロー導入だけではないようだ。
昨年からF1の新オーナーとなったリバティ・メディアは今年からグリッドガールを廃止することを決定したほか、ヨーロッパ地域での決勝開始時刻をこれまでよりも1時間10分遅らせることも決定している。
ヴォルフはレース開始時刻変更について次のように語った。
「(決勝開始時刻を)2時から3時にするのはいいことだと思うよ。だけど、10分という端数はまったく理解できないんだ。私は、あれはミスだと思っている」
さらに、グリッドガール廃止について質問を受けたヴォルフはこの件に関しても「私はまったく理解できない」と答え、次のように付け加えた。
「私はずっと好きだったし、女性にとっても悪いことだったとは思っていないよ」