ルノーが、2018年仕様のPU(パワーユニット)が昨年のものと比べると大きく進歩したようだとの報道を認めた。
昨年は信頼性問題に苦しめられ、シーズン終盤にはPUコンポーネントが不足するといった事態を迎えることになったルノー。だが、今季ルノーPUを搭載する顧客チームのレッドブルやマクラーレンは、今季仕様のPUはかなり改善されたという手応えを得ていると示唆している。
■2018年のルノーPUは能力を最大限に発揮できる
そうした中、ルノーF1プロジェクトをリードするマネジングディレクターのシリル・アビテブールは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「昨年は信頼性に関する恐れがあったため、エンジンの持つ能力を使い切ることができなかったんだ」
「だが、今ではそれができる」
■目指すはトップチームとのギャップ半減
当然ながら、ルノーのF1ワークスチームに所属するニコ・ヒュルケンベルグもPUの改善に力づけられているようだ。
20日(火)にルノーの2018年型F1カー「R.S.18」が発表されたが、ヒュルケンベルグはそのクルマで戦うことになる2018年シーズンに向けて次のように語っている。
「3強チームが上位を占めるという形が続くだろう。その次に僕たちとマクラーレンが続くだろうと期待しているし、フォース・インディアがまたどういうことをやってみせるのかも興味深いものになるだろうね」
「もしトップチームたちとのギャップをこれまでの半分に減らすことができれば、僕たちもいい仕事を成し遂げられると思うよ」
■顧客のレッドブルとマクラーレンからは学べることも多い
アビテブールはさらに、現時点では自分たちよりも強力なシャシーを持つと考えられるレッドブルとマクラーレンにPUを供給することは、ルノーの戦略としては失敗なのではないかとの声があることについて次のように主張した。
「もしF1チャンピオンになりたいと思うのであれば、我々はこういうチームたちから逃げるわけにはいかないんだ」
「それに我々が顧客チームから学べることもあるしね。レッドブルからは空力や組織に関することを、そしてマクラーレンからはメカニカルな面をね」
■アロンソやフェルスタッペンとの戦いも楽しみ
ヒュルケンベルグはさらに、レッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペン、さらにマクラーレンのフェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンという評価の高いドライバーたちと戦うことも楽しみにしていると主張している。
「僕たちだって悪くはないよ」とほほ笑みを浮かべながら語ったヒュルケンベルグは次のように付け加えた。
「僕たちが彼らから隠れなくてはならないなんて思っていないよ」
一方、2015年のル・マン24時間レース勝者であるヒュルケンベルグは、今年F1とかけもちでWEC(世界耐久選手権)にもフル参戦することになるアロンソについて次のように語っている。
「ただ単に、より多くのレースで走るだけというわけじゃないんだ。フェルナンドはテストもしなくてはならないし、トヨタとマクラーレンの両方のファクトリーにも出向く必要がある」
「それは彼にとってかなりの負担になるだろうね。だけど、僕はそこまですごいことをしたいとは思わなかったよ」