ロバート・クビサが、F1に復帰実現まであとほんのわずかなところにまで来ていたと認めた。
2011年シーズン前に起きたラリーレースの事故で右腕に大きな障害を負ってしまったクビサだが、その後懸命のリハビリを続け、今年はウィリアムズから8年ぶりにF1復帰を果たすのではないかと言われていた。
だが、ウィリアムズは最終的にロシア人若手ドライバーのセルゲイ・シロトキンと契約。クビサはウィリアムズのリザーブ兼開発担当ドライバーを務めることになっている。
■2018年は第二の出発点だとクビサ
ポーランド人初のF1ドライバーとして知られる33歳のクビサは母国の日刊スポーツ紙『Przeglad Sportowy(プシェグロンド・スポルトヴィ)』に次のように語った。
「僕にしてみれば、もうF1に復帰できたようなものだよ」
「第二に出発という感じさ。2006年にデビューする前に担当していたものと同じ役割で戻ってきたわけだからね」
■レースに帯同するのは複雑な気持ち
クビサは、全21戦で行われる今季のF1レースにはほぼすべてサーキットに顔を見せることになるという。だが、レースには出られないという立場でF1パドックに足を踏み入れるのは複雑な気持ちであることも事実のようだ。
「そのことを考えたんだけど、正直に言ってあまりうれしいだろうとは思わないよ」
開幕戦F1オーストラリアGP(3月25日決勝)が行われるアルバート・パーク・サーキットにはどういう気持ちで向かうことになるかと尋ねられたクビサはそう語ると次のように続けた。
「ほかのドライバーたちがレースをするのを見るためにそこにいるのはうれしくはないだろうね。だけど、それでもカムバックを目指す価値はあるよ」
「それに、レースに来てほかに何もしないという典型的なサードドライバーの役割ではないんだ。僕にとって一番重要なことは現在のクルマを運転できる可能性があるということだからね」
「もしそれができないのであれば、この仕事を引き受けることはなかったと思う。それでは意味がないからね。ドライブすることによってのみ、最後の一番困難な段階をものにするチャンスが得られるわけだからね」
クビサは2018年には第5戦スペインGP、第9戦オーストリアGPを含む3戦で金曜フリー走行1回目に出走するほか、シーズン前テストやシーズン内テストでも走行チャンスが得られることになっていると考えられている。
■今年復帰できると確信していた時もあった
今後奇跡的とも言われるF1復帰を果たすことができる可能性はどれくらいあると思うかと尋ねられたクビサは次のように答えた。
「2、3か月前に比べると、今ではかなり遠のいているよ」
「だけど、今後7か月、8か月、9か月とやっていくうちにまた近づいていけると思っている。実際、どれほど(F1復帰に)近づけていたかは本当に分からない。だけど、そんなことどうでもいいんだ」
そう語ったクビサだが、2018年にF1復帰を果たせると確信していた時もあったと次のように付け加えた。
「概して、僕は実際に起きたことしか信じないことにしているんだ。だけど、ある時点ではオーストラリアで走ることができるとほぼ確信していたよ」