メルセデスAMGが、現在は禁止されている“アクティブサスペンション”をF1に復活させた方がよいと提案しているようだ。
昨年までレッドブルを始めとするいくつかのチームがアクティブサスペンションと似た効果を発生させる“トリックサスペンション”と呼ばれるシステムを採用していたと考えられている。これはステアリングの操舵角に応じてフロントサスペンションが車高を制御し、これによってコーナリング中の空力特性を有利に働かせるものだ。
だが、F1統括団体であるFIAは今季からそうしたシステムを使うことを禁止している。
だが、伝えられるところによれば、これに関してF1の技術ワーキンググループにおいて2つの提案がなされたという。
ひとつはサスペンションの構造をダンパーとスプリングのみのシンプルな構成にしようというもの。そしてもうひとつは1993年限りで禁止されたアクティブサスペンションを復活させた方がよいというものだ。
そして、そのアクティブサスペンション復活を積極的に提案しているのがメルセデスAMGだと考えられている。
あるエンジニアはドイツのモータースポーツ専門誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語っている。
「その方が安く済むんだ。なぜなら一度システムを開発し、それを凍結することができるからね。そうすれば年間で100万ユーロ(約1億4千万円)節約できるし、もはやグレーゾーンはなくなるよ」
「その方がFIAにとっても管理しやすいはずだよ。それに、システムをプログラムすることでクルマの後方の乱気流による影響も最小限にとどめることができるから追い抜きもしやすくなるはずなんだ」
だが、メルセデスAMGの最大のライバルであるフェラーリは、アクティブサスペンション復活には反対の立場をとっていると伝えられている。