F1公式タイヤサプライヤーのピレリが、2018年からドライタイヤの種類がこれまでよりも2つ増えるものの、それによってF1がさらに難解なものになるのではないかとの意見に反論を行った。
昨年まで全部で5種類のコンパウンドが用意されていたピレリのドライタイヤだが、今年は最も軟らかい「ハイパーソフト」と、逆に最も硬い「スーパーハード」の2つが新たに加えられ、全7種類となる。
実際のところ、最も硬い「スーパーハード」が実戦に投入される可能性はほとんどないと考えられている。だが、ピレリでは今季からこれまでよりも広い幅の中からそれぞれのグランプリに持ち込むタイヤを選択することにしており、タイヤ戦略がこれまでよりも複雑になってくる可能性も指摘されている。
中には、こうした動きはファンにとってF1がより理解しづらいものになってしまうのではないかとの懸念の声もある。
■本当に増えるのは1種類だけ
こうした声に対し、ピレリのF1プロジェクト責任者であるマリオ・イゾラは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「常に全員を満足させることはできないものだ」
「だが、これほどの騒ぎに発展したのは驚きだったよ。今我々がなすべきことは、これによって複雑になるようなことはないとみんなに説明することだろうね」
「1週末に供給されるのはこれまで通り3種類のコンパウンドだ。そしてスーパーハードのことを忘れてしまえば、覚えておく必要があるのは6色だけということになる。これはそれほど難しい話ではないよ」
■タイヤの種類を減らすのは現状にそぐわない
だが、イゾラは観客がもっとシンプルにレースを楽しむことができるようにするために、タイヤの識別カラーの運用簡素化を検討したこともあったと次のように続けた。
「我々は、例えばそれぞれの週末で用いられるタイヤはハード、ミディアム、ソフトだけとし、すべてのレースで同じ3色を使うことも検討したよ」
「しかし、私の意見だが、それは正しいメッセージではないと思う。F1では常に異なる空力パッケージ、冷却システム、セットアップ等々が使われているし、それもこのスポーツの構成要素なんだからね」とイゾラは付け加えた。