セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、伝説的F1ドライバーであるファン・マヌエル・ファンジオを称賛した。
2017年にはハミルトンがベッテル、アラン・プロストに並ぶ通算4回目のF1タイトルを獲得した。これは歴代3位タイ記録となる。
F1通算最多勝利記録はミハエル・シューマッハの7回で、2位はF1選手権が発足して間もない1950年代にアルゼンチン出身ドライバーのファンジオが記録した5回となっている。
ベッテルとハミルトンはあと1回タイトルをとれば、そのファンジオと並ぶ歴代2位の記録保持者になるわけだ。
■ファンジオのレベルには絶対到達できないとベッテル
1951年、そして1954年から1957年までは4年連続で通算5回F1王座についたファンジオについて質問されたベッテルは次のように語った。
「レース数が少なかった時代にあれほど短期間のうちに成功を収めた彼に匹敵することなど絶対にできないよ」
「当時彼が達成したことを成し遂げるためには、さまざまなことをうまくまとめあげることが必要だったし、クルマの信頼性も今ほど高くはなかったんだ。すべてをうまくまとめあげるということに関しては、僕は彼がこれまでで最高だろうと思うよ」
■ファンジオはもっと評価されるべきだとハミルトン
ハミルトンも同意見だ。
「彼がその記録を達成した当時は(F1が)最高に危険なころだったんだ。彼は誰もが最も一目置くドライバーだと思うよ」
「実際、僕は彼の功績はもっと称賛されていいと思っているんだ。それほど多く語られているわけじゃないからね」
そう語ったハミルトンは次のように付け加えた。
「ドライバーにとって、彼はこのスポーツのゴッドファーザーだと僕は思う」
■脅威のタイトル獲得率を誇るファンジオ
ファンジオがF1タイトルを獲得した当時のF1は年間7戦から9戦で戦われていた。F1が発足した1950年から参戦したファンジオはけがにより欠場した1952年をはさんで通算8シーズンを戦ったが、そのうち5シーズンでチャンピオンに輝いている。タイトル獲得率はシューマッハの36.8%(歴代2位)を大きくしのぐ62.5%で、もちろんこれは歴代トップ記録だ。おそらく、この記録を破るドライバーは今後も現れることはないだろう。
通算51戦に出走し、そのうち24レースで優勝を遂げたアルゼンチンの英雄は1995年に84歳でこの世を去っている。