元F1ドライバーのデレック・ワーウィックが、F1イギリスGPが2019年限りで姿を消してしまう可能性があると主張した。
1980年代から90年代にかけて活躍したイギリス出身ドライバーのワーウィックは、イギリスGP開催地として知られるシルバーストン・サーキットを所有するBRDC(ブリティッシュ・レーシング・ドライバーズ・クラブ)の代表を2011年から務めていた。だが、63歳となったワーウィックはがんに冒されていることがわかり、昨年限りでBRDCの代表職を辞している。
■F1開催契約中途解除を申し出たBRDC
そのワーウィックは退任の前に、BRDCが現在F1との間に結ばれている開催契約を解約条項に基づいて中途解約する意向であることを表明していた。もし、その通りに契約が解除されてしまえば、シルバーストンがイギリスGPを開催するのは2019年が最後となってしまう。
1950年にF1選手権を初開催したサーキットとして知られる伝統サーキットでのレースが消えることになれば、F1にとっては大きな痛手となるのは間違いないだろう。
■F1開催には金がかかりすぎる
ワーウィックは、シルバーストンが解約条項を盾に契約の途中解除を申し出るに至った理由を『Jersey Evening Post(ジャージー・イブニング・ポスト)』に次のように語った。
「グランプリは非常に高額すぎ、我々は金を失ってばかりだ。我々が解約条項を使うことにしたのはそれが理由だ」
「イギリスはモータースポーツにとっては母国だ。だからと言ってこれからもずっとイギリスGPが存在し続けるかと言えば、そんなことは絶対にない」
そう主張したワーウィックは条件さえ整えば開催を継続したいと考えているのは事実だと次のように続けた。
■手ごろな契約金額であれば継続可能
「もちろん、我々もイギリスGPが存続し、シルバーストンで開催され続けることを望んでいる。だが、我々としてはもっと手軽に行えるものとなって欲しいんだ。そうすればサーキットに再投資する十分な資金も工面することができる」
「現在の契約条件では、それはできない」
伝えられるところによれば、2017年からF1の新オーナーとなったリバティ・メディアとBRDCの間で新たな契約締結に向けた交渉がすでに始められているという。