ザウバーF1チームの設立者であるペーター・ザウバーが、今後アルファロメオがザウバーを買収してしまうことはないだろうとの見解を示した。
■設立者離脱後に大きく姿を変えてきたザウバー
2016年に現在のオーナーであるロングボウ・フィナンスSAにチームを売却したザウバーは、その後チーム運営からは完全に手をひいた状態となっている。
その後、自身の後継者としてチーム代表に指名していたモニシャ・カルテンボーンも新オーナーにより更迭され、フレデリック・バスールが新チーム代表に就任。そして今季からはアルファロメオがタイトルスポンサーにつくなど、ザウバーF1チームも大きく変ぼうをとげてきている。
■アルファロメオとの提携はいいことだと設立者
かつて自分が作ったチームがアルファロメオ・ザウバーと呼ばれることに違和感はあるかと質問された74歳のザウバーは、まったくそんなことはないと『Neue Zurcher Zeitung(ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥング)』に次のように答えた。
「非常にいい感じだよ」
「チームはオーナーが変わるわけじゃない。アルファロメオは単にタイトルスポンサーに過ぎないんだからね」
そう語ったザウバーは、ザウバーF1チームが2017年シーズンに最下位に沈んでしまったのは残念だと次のように続けた。
「つらいね。少なくとも中団にいなくてはならないと思っているし、それが可能だとも思っているからね」
■ザウバーの25年の歴史は誇り
だが、ザウバーは最近ではすべてのF1レースをテレビで見ることもなくなっており、F1から離れたことを後悔などしていないと次のように続けた。
「私にとってはF1を去ることが大切だったし、それほどつらいことでもなかったよ。2年前はものすごく大変だったからね」
ザウバーはさらに、すでに自分の手からは離れたものの、自分が1993年からF1挑戦を開始したチームが25周年を迎えられたことは非常に誇りに思うと次のように続けた。
「スイスのチームが25年もの間F1で生き残るというのは、実際には不可能なミッションだったんだ」
「今日では、ザウバーはフェラーリ、ウィリアムズ、マクラーレンに次いで4番目に古いチームとなっている」
■ザウバーの名が消えてしまうことはないはず
だが、そのザウバーはイタリア国内ではすでにアルファロメオと呼ばれるようになっているとも言われており、そのうちザウバーの名前は消えてしまうのではないかとの声もある。だが、ザウバーの見方は違うようだ。
「そうなるとは思わないよ」
「イタリアではそんなことが起きているのかもしれないが、それはそれで構わないよ。アルファロメオは情熱を呼び起こす名前だからね。だが、私はザウバーという名前がおざなりにされるとは思わない。私はアルファロメオが加わったのは評価の証しだと思っているんだ」
そう語ったザウバーは、次のように付け加えた。
「チームにとって、すべてをセルジオ・マルキオンネが仕切ったことは運のめぐり合わせだったと思うよ。彼は自動車産業において非常に大きな定評を得ているからね」